BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――満艇です!

 

 

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 係留所が満艇なのである。今日はちょいと気候が変動した。太陽が雲に隠れている分、気温は低く、しかし湿度は相変わらず高い。モーターの動きに変化があらわれてもおかしくはなく、選手の試運転もレース間にたくさん見られている。試運転をいったん切り上げた選手たちは、足合わせをした者同士で感触を語り合う。そんなミーティングが係留所で複数、同時に見られたりもしていた。

 試運転用の係留所は20コほど。出場している全選手がボートを係留しておけるわけではない。プロペラを叩き、さあ試運転と動こうとしても、係留所が埋まっていたらボートを降ろすことができないのだ。試運転可能な時間帯ならば、ボートを降ろしてそのまま試運転をし、終われば陸に引き揚げればいい。日高逸子は1R発売中にこのパターンで試運転。試運転中断の赤ランプがともると同時に、ボートを陸に引き揚げている。

 ただ、日高がボートを揚げたのとほぼ同時に、係留所のひとつを確保していた小野生奈がボートをリフトへと移動している。いったんボートを揚げて、陸での作業に専念しようということのようだ。それを見た日高は、速攻でボートをリフトに戻し、小野と入れ替わりで着水。ひとつ空いた係留所をキープできたのだった。日高、ホッと一安心である。

 

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 そのとき、三浦永理が係留所を覗き込みにやってきた。もしかして、小野がボートを揚げたのをペラ室あたりで見ていたか? しかしもう、小野のいた係留所は日高がゲット。ふたたび満艇となっていた。係留所を眺めている三浦に、係留を終えた日高はニコリと笑って「セーフ!」。ごめんね三浦さん、一足早く確保しちゃった、ってなところだろうか。三浦は笑顔を返して「いえいえいえ」。早い者勝ちだから仕方がない。

 それでも三浦は係留所を眺め続けていた。出走表をちらちらと見ながら、係留所を見つめているのだ。やがて、三浦は小さくうなずいて、工具袋を手に係留所に降りていった。そして、栢場優子のボートがある係留所の後ろのほうに、工具袋を置いた。

 なるほど! 栢場は4R出走。三国では展示ピットが2組あるので、2R発売中には4R組はそちらにボートを移動するのである。三浦はおそらく、「2Rの展示終了後にボートを動かしそうな人は誰か」をチェックしていたのだろう。栢場さんはたぶん移動させるはず、と見た三浦は、栢場が確保していた係留所を“予約”したわけだ。実際、1Rのエンジン吊りが終わり、2R組が展示を終えて本番ピットに戻ると、栢場は係留所を出て展示ピットのほうに向かっていった。三浦はようやく着水し、その係留所にボートを入れた、という次第である。

 開催初日の朝が慌ただしい、というのはSGでも見られる日常の光景。今節は2日目になっても、みな忙しそうに動いている! あ、そうか。予選は明日までか。短期決戦か。そう考えると、この状況も納得できますね。

 

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 さて、1Rでは喜井つかさが1着。GⅠ初勝利だ! 水神祭は11R後ということなので(喜井曰く「飛び込んでくれる人がいるので(笑)」。その人のレースを待つんでしょうね)、後ほどアップします。2日目にしてつかんだ初1着に、喜井は「よかった~」と安堵の笑顔を見せていた。

 

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 本人以上に嬉しそうにしていたのが、岡山軍団だ。笑顔は喜井よりも大きく、むしろ喜井は穏やかに微笑んでいるふうにも見えたほどだ。とりわけ堀之内紀代子がめっちゃ笑っており、後輩たちを指さして冗談だかなんだかを飛ばしつつ、大口を開けて爆笑しているのだった。同期ということでその輪に入っていた小野生奈もつられて大笑い。“岡山会議”というよりは“岡山飲み会”みたいな雰囲気である(もちろん酒など飲んでおりません)。

 ナデシコ王国の結束は堅い! こうした環境で若手もすくすくと伸びていき、さらに王国は強固になっていくのであろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)

 

※3Rで山川美由紀が負傷。後半7Rは欠場となります。早くケガを癒して、またパワークイーンらしいレースを見せてください!