BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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戸田ヤンダビTOPICS 2日目

『ヤングダービー予選・極私的回顧』

銘柄レーサーを狙え????

 

 昨日は「ルーキーを狙え」って言ったくせに、何を言うとんのじゃーー!!

 お叱りを受けそうだが、私自身も混乱しているのです。今日はドリーム組はじめ人気レーサーが満遍なく散らばったのだが、私が想定していたよりはるかに人気がなかった。顕著な例が9Rと10Rのシゴロ・アウトセット決着だ。

 

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 まずは9R、このレースには艇界屈指の人気レーサー篠崎元志がいた。3号艇に。昨日から「4号艇の西川狙い」と決めていた私は、「元志よ、どんどん全国津々浦々の舟券を吸収しちゃいなさい。太るだけ太らしたところを、4カドの西川が一撃まくりで引き波にハメるから」とひとりほくそ笑んでいた。もちろん、本線フォーカスは4-5だった。

 だがしかし、前売りオッズを見た私はガックリ肩を落としてしまった。3=4が売れるのは当然として、元志を消した4-56が死ぬほど安い。私の脳内オッズは軒並み100倍を超えていたのに、ほとんどが30~70倍程度だった。どうした、元志!? 私は思ったね。なぜもっと売れてくれない!? 私は予定していた4-5-全、4-全-5(極撰予想にするつもりだった)の舟券を諦め、453と452の2点だけに絞った。筋的に456は必須のはずなのだが、50倍以下というオッズが馬鹿らしすぎて斬り捨てた。だって、私の脳内オッズでは150倍くらいなのだよ。

 

 

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 実戦は……私の脳内レースと寸分も違わなかった。西川が元志を攻め潰し、⑤秦英悟と⑥長尾章平が嬉々として連動した。元志が消えて、456決着で4960円……いくらシゴロBOXが売れる戸田とはいえ、これは安すぎる。ヒモ抜けの悔しさを滲ませつつ、私は「こんなチンケな配当、いらねえや」と毒づいていた。

 

 そして、続く10Rだ。このレースの外3艇は④峰竜太⑤新田雄史⑥山口達也である。3人ともにSG常連レーサーである。何がどうとは言わないが、前の9Rの3人と比べてもらいたい。名前だけでいうなら、この10Rの456の脳内オッズこそが30~50倍てもおかしくないだろう。

 

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 で、このレースは凄まじい1マークになった。4カドの峰が強引にまくり、6コースの山口がありえないスピードでまくり差しに入り、さらにありえないスピードで5コースの新田がその内をブッ差した(換わり全速だ!)。SGレーサー&常連にしか真似できないようなスピード&テクニックで内の3艇を置き去りにした。

「さっすがぁ、モノが違うわ。いいもん見たな」

 9Rのショックでケンを決め込んでいた私は、能天気に3人に拍手を送っていた。が、546が万シューだと知って、またショックを受けてしまった。そら456と546じゃ話は違うわけだが、艇界のトップレーサー3人が実力どおりに上位を独占した万太郎なのである。一方、9Rは西川・秦・長尾で50倍にも満たないのである。

 なんだ、これは……??

 

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 私の混乱ぶりがわかってくれるだろうか。昨日とは真逆に「銘柄レーサーを狙え!」なんて口走ってしまう気持ちを少しでも理解してくれるだろうか。今節、戸田に来る前に己に課したミッションは「脳内オッズと実際のオッズを徹底して見比べろ。で、はるかに脳内オッズより高いフォーカスで勝負しろ」だった。つまり、このシリーズは知名度に雲泥の差があるから、極端に人気が偏りやすい。しかし、実力的には知名度ほどの大差はない、そのギャップを鋭く突いて大儲けするという皮算用である。昨日の1R(渡邊雄一郎で万シュー)と2R(西川で万シュー)は、いきなりその作戦がハマッた。今節はイケる、という確かな手応えを感じ取った。だが、2日目を追えた今、私は単なる砂漠の迷子と化してしまった。そもそも「銘柄級レーサーがバカ売れする」という見立て自体が、浅はかだったのか……。

 まあいい、ギャンブルは迷ったヤツが負ける。今日はそんな理由で大勝負を控えたため、まだプラス収支でもある。今晩はまた脳みそをリセットし直して、明日に臨むとしよう。私の直感としては、ルーキーでも銘柄級でもなく「F後のレーサーを狙え」(←人気が暴落しすぎ!)という気もするのだが……(笑)。(photos/シギー中尾、text/畠山)