BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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怪物機で「無冠の帝王」返上だ!

 さあ、ダービーの開幕!! と言いつつ、いきなり明日の中止順延が決まってしまったわけだが(笑)、モーター抽選会はしっかり行われましたぞ。今節の常滑には、誰もが「怪物」と太鼓判を捺す不動のエース機が存在する。その名も、1号機! 文字通りのエースナンバーである。出来杉君である。乗り手にさほど恵まれてこなかった(特に最近はB級ばかり)というのに、2連率53%。B級レーサーでも当たり前に準優へと運んでしまう魔法の絨毯のようなマシーンなのである。

 そして、もう一機。「不動の準エース」と呼ぶべき存在が、22号機だ。いや、1号機をエースとするなら、こちらは豪腕のクローザーだな。とにかく伸びるわ伸びるわ、展示タイムの平均値は1号機のソレをはるかに上回っており、時速170キロ級の快速球でスリットを通過する。出足よし行き足よし伸びよしの3拍子揃った1号機と、火の玉ロケットで敵を粉砕する22号機。この二枚看板をゲットした選手が、優勝へ一歩も二歩も前進するとお伝えしておこう。

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 そしてそして、モーター抽選本番。池田浩二からガラポンがはじまったが、このビッグツーがなかなか出ない。抽選が進むに連れて、ガラポン待ちの選手たちの緊張が高まってゆく。とりわけ、大はしゃぎだったのが大阪支部の面々だった。休憩所で一服ついていた(と思う)ガッツポン倉谷和信が会場に戻ってくるなり、「どうどう、え~の残っとんの??」と気色ばり、田中信一郎が「残っとるでぇ!」と答える。ガッツポンは気合満々にガラポンを回したが、「1」によく似た「7」だった。

 

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「惜しい! ようけ引かんな~」

 ガックリ肩を落とした倉谷の後に登場したのが、松井繁だ。王者がガラポン機に向かっただけで、大阪軍団は「キタキタキターーー!!」の大合唱。ニンマリ笑って王者が回すと、「22」の数字がポトリ零れ落ちた。

 

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「にじゅうにばん!」

 場内、オーーーーッッの大歓声。これに応えて、松井はフサイン・ボルトも真っ青のド派手なガッツポーズを二度三度、四度と繰り返した。

 

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 さあ、残るは不動のエース1号機だ。田中信一郎が気合パンパンにガラポン機に向かってゆく。残りはもう10人くらいしかいない。「うわぁぁ、ドッキドキしてきたーー!!」

 

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叫んだ瞬間、信一郎の目の前にいた仲口博崇がさり気なくガラポンを回してひとつの玉を落とした。検分役の池田浩二の顔がパッと華やいだ。

「出たーーーー!!」

 最近、シャレが利いている池田のネタかと思ったが、仲口が引いたのは正真正銘の「1」だった。仲口の顔がほころぶのと、信一郎が「ハイッッ??」と叫んで意気消沈するのはまったくの同時だった。

 

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 このふたつの玉が出きった後の抽選会場は、もはや気の抜けたホッピーのようだったな。22号機は「絶対王者」、1号機は「無冠の帝王」と呼ばれて久しい仲口。この両者の対比がなかなかに絶妙だが、白井英治が悲願を成し遂げて流れはまさに「無冠の帝王・返上時代」。地元の水面で1号機を駆る仲口が、男泣きする姿が見たいぞ。

 

とこなめ注目モーター

★★★★★1号機(53%)…仲口博崇

★★★★22号機(51%)…松井 繁

★★58号機(46%)…井口佳典

★★14号機(49%)…守田俊介

 

(photos/シギー中尾、text/畠山)