今朝、ピットに入って真っ先に顔を合わせたのは、篠崎元志だ。今日は最終日だから、レースが終われば管理解除。すぐにレース場を後にできるよう、選手たちが荷物整理をしている姿が毎度見られる。元志も荷物をまとめていて、宅急便に乗せる準備をしていた。おはようございまーす。にこやかに声をかけてくる元志に、妙な緊張はまるで感じられない。実にリラックスして、今朝を迎えているようである。
シリーズ優勝戦組は、おおむね同様である。エンジン吊りで見かけただけだが、平田忠則は持ち前のスマイルをふりまいていたし、桐生順平も淡々としている。桐生はモーター架台運びもやっていたな。今節はもっぱら深谷知博や黒井達矢の仕事だったが、手が空いているということなのか、桐生が一人で架台運びをしている姿があった。今節初めて見た。
平本真之も、かなりゆったりと過ごしているようだ。１号艇だったらどうだったかな～、なんて思ったりもするが、自然体で過ごせているのは何よりである。作業らしい作業はまだ始めておらず、これから徐々に態勢を整えていくのだろう。顔つきも穏やかである。
気合が入っているように見えたのは、濱野谷憲吾。ただ、今節はずっとこんな感じだったような気がする。選手班長もこなしながらの、地元ＳＧ。自分の作業に、ピットをまとめる仕事に、とにかく忙しい濱野谷。その分、顔つきが厳しくなっている？ いやいや、今日ばかりは、地元ＳＧ優勝戦への気合だと思いたいところである。
で、瓜生正義ももちろん同様なのだが、ちょっと表情がカタく見えたのは気のせい？ いつも柔和で穏やかな瓜生だが、レース直前になればもちろん緊張感に包まれた顔を見せる。それが朝から出ているように思えたのだ。ＳＧ６年連続優勝の新記録に震えるような人ではないはずだが……。こちらの先入観の可能性も大きいが、とにかく瓜生には少しだけ力の入った雰囲気が見えた。もし記録を瓜生自身が意識しているのだとすれば、それは実は嬉しいことだったりするのだけれど。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
