BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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エース56号機は新田!

 

 

 

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 初下ろしから2カ月足らず。大村のモーターはまだまだ素性が割れていないため、選手たちは一様にのんびりムード。ガラポンを回す指先にも、さほど力が入った感じはない。ただひとり、地元の大将格の石橋道友だけは、スタッフが叫ぶ数字に耳を傾けていた。石橋は4月の当地周年、5月のGW開催とすでに2度の経験を積んでいる。もちろん、どのエンジンか強力か肌身に感じただろうし、大村の関係者や記者からも様々な情報が舞い込んだことだろう。

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そんな“地元の主”が、いきなり「オッ」と唸り声をあげた。平本真之のモーター番号が読まれたときだ。そのモーター、59号機。2連率42%で地元記者の評価はBランク。だが、石橋は目を輝かせて「いい、それいいよ」と平本に向かって叫んだ。「伸びがめっちゃいい、半端ないって言ってた」と続ける。それを聞いた平本は嬉しそうに相好を崩した。59号機、覚えておこう。さほど下馬評は高くないだけに、配当的な妙味もありそうだし。

 

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 会場に小さなどよめきが起きたのは、もっとも前評判が高い56号機が決まったときだ。ゲットしたのは新田雄史。2連率63%、評価Sの申し分ないデータをチラリと見た新田は、ちょっとはにかむような微笑を浮かべた。あるいは、つい先日の津周年での逆転負けを引き摺っているのかも知れないが、もうワンランク上のレースで笑えばいい。このモーターなら、そんな10倍返しのリベンジVが可能だと思うぞ。

 

 

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 大いに笑わせてくれたのが、濱野谷憲吾、池田浩二、原田幸哉の3人だ。憲吾が27号機を引くと、池田が「キターッ! いい、これ、いい!」と叫び、隣の幸哉も「合格、大合格」と囃し立てる。確かに27号機は私の見立てでもトップ3に入る評判機だ。それに気を良くした憲吾は、にんまり笑ってこう言った。

「エへへ、俺の体重でもなんとかなるかな」

 すぐさま幸哉が答える。

「なるなる、減量する必要なし! もっと太っても大丈夫!」

 そんなやりとりでギャハハと笑う3人組だった。私も腹を抱えて笑ったが、記者席に帰って憲吾の前検体重を見たらば……57キロ!!!! せっかくの大チャンス、笑い事じゃないぞ~憲吾!

 

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 それから、実に微笑ましい光景も見たな。小野生奈が40号機を引き当てると、どこかしらから「いい、いいよ、それいい」と嬉しそうな女性の声。この声の主を探すと、そこそこ離れた席にいたグレートマザー日高逸子だった。その声を聞いて振り向いた生奈に、逸子ママはうんうん頷き「Aだよ、Aランク、エーーーーだから」何度も繰り返した。コクンと頷き、にっこり笑う生奈。まるで、運動会で1等取って大喜びする母子のようなやり取りだったなぁ。さっすがグレートマザー!(photos/シギー中尾、text/畠山)

 

★2連率TOP3モーター

①56号機(63%)…新田雄史

②50号機(52%)…田中信一郎

③67号機(50%)…白井英治

★BB誌公開「畠山の注目機」

①16号機(38%)…日高逸子

②27号機(49%)…濱野谷憲吾

③70号機(50%)…太田和美

穴/21号機(43%)…吉田拡郎