BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――やはり気になる地元コンビ!

 

 

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 やはり気になるのは、地元勢だ。17年ぶりの三国SG。グラチャンでも、13年ぶり宮島SGに、広島勢は気合満点の様子を一節通して見せつけていたが、さらに間隔が長かった三国だ。今垣光太郎と中島孝平が、“平常心”でいられるわけがない。

 今垣はドリーム6号艇で、明日は「普通の進入はしません」と前付けの意向を示している。これが他場でのドリーム6号艇だったら、穏やかな進入になっていたかもしれないが、地元SGでそれはできない、というのは当然のことだろう。足的には「悪くない」ということなので、前検としては及第点。というわけで、スタート練習とタイム測定のあとはギアケース調整に励んでおり、前検の作業としては普段通りだろう。

 もっとも、その作業は実に入念。まあ、普段から整備や調整作業をとことんやる男なので、これも普段通りではあるが、それでも地元SGに懸ける思いがさらに徹底的な作業をしているように見えていた。今垣ほどの実績があっても、やはり地元SG(それもめったにSGが回ってこない地元のSG)は特別なのだと思わされる。

 

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 中島孝平も、今垣同様にギアケース調整をしているようだった。今垣がこもっていた整備室奥の作業室に入って、なかなか出てこなかったので、推測形になっているわけである。三国の仕上げ方を熟知している二人が同じ場所で同じ作業をしているようだったあたり、彼らは慣れ親しんできたセオリーを踏んでいるということだろう。

 中島といえば、とにかく粛々、淡々。勝っても負けても、レース後の表情はそれほど変わらない、“平常心”の男。もちろん、今日も基本は変わらないのだが、なんかいつもよりも晴れやかな表情が多く見えたように思う。いちばんよく知っているピットでSGの前検作業をしているということは、やっぱり格別なのだろうか。モーターは2連対率25.4%と数字のないものを引いてしまったが、全力で仕上げて、水面に闘志を投影してくるだろう。

 

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 誰もが欲しがった33号機を手にした石野貴之は、気分が悪かろうはずがない。まだ着水する前にはいつも通りの装着作業をしていたが、山口剛らに声をかけられると爽快な笑顔が浮かぶ。一度乗ってみなければ、正味の感触はわからない。だが、好モーターを引き当てれば、乗ってみるのが楽しみなものなのだ。そういう選手の前検日のコメントが「思ったより普通だった」とか「エース機の感触ではない」とかになってるのって、よく見かけますよね。普通の手応えでもガッカリしちゃうわけだから、いかに期待が大きかったか、ということ。グラチャンの山崎智也も好モーターを引いて、前検では首を傾げたりもしていたわけだが、結果的にやっぱり良機でしたよね。そんなものなのだ。

 

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 で、ドリーム3号艇の吉田拡郎が「今日はもらったままでどうしても乗りたかった」と言っていた。引き当てた11号機は40.0%だが、前節、B2の鈴木雄斗が2勝をあげている。これはものすごく出ているモーターかも! というわけで、ペラの形は自分とは違ったとしても、そのままで乗ってみたかった、のである。まあ、明日は自分の形に叩き変えるようですが。それでも、やはり手応えは悪くなかったようなので、自分のスタイルにしてさらに上昇も充分! ドリームは3コース死守とのことで、2号艇は2コースツケマイが得意な男だけに、展開が向くかも!?

 

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 ドリーム組では、池田浩二がかなりの緊急事態のようだ。会見でもネガティブな言葉が聞かれたが、26.2%の数字通り、感触は悪かったようである。その後の作業が、異常っぷりを伝えてくれましたね。なんと、いきなり本体を割っていたのだ。

 そもそも池田はプロペラ調整が主体。部品交換も頻繁にするタイプではない。まして、今日は前検なのである。まだレースを一度も走っていないのに、本体に取りかかったのだから、いかに感触がひどかったかということ。このままではレースにならないと実感しての、早い本体整備なのである。さあ、ドリームまでに立て直してこれるか。明日の日中の動きにも注目したいところだ。

 

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 あ、そうそう。ドリーム組といえば、山崎智也が「三国は桐生と雰囲気が似ている」と言っていた。景色の話じゃなくて、水面の話です。そういえば、毒島誠は三国実績が素晴らしく、本人は「嫁さんの地元なので力が入る」と笑っていたが、走りやすい水面であるのも間違いないだろう(奥さんは元選手の池田幸美さんで、現役時は福井支部)。毒島の強さや速さはもはや説明するまでもないし、智也はSG2連覇中。群馬の二人はまったくもって強いわけだが、今節も(秋山直之も含めて)群馬の空っ風を噴き荒らさせるかも!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)