BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――早くも!

 

 

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 整備室にボートが持ち込まれていた。ということは、誰かが本体整備をしているということ。そのボートに積まれていたモーターは、たしかに本体部分が外されている。初日の朝、いきなり本体整備にかかったのは誰だ!?

 ボートには見覚えのあるヘルメットが置かれていた。光ちゃんのヘルメットだ。そう、今垣光太郎が本体整備! 開会式とドリーム戦インタビューを終えた今垣は、ピットに戻ると整備室に直行して、本体整備に取りかかったわけである。今垣といえば、かつては整備の鬼と形容していたほど、整備室で姿を見ることが多かったが、最近はそれほどでもなく、SGで見る限り、他の選手と差があるわけではない。それだけに、初日にいきなり整備の鬼に戻ったあたり、地元SGへの気合が感じられるわけだ。整備室の奥のほうにいたので、詳細や表情はうかがえなかったが、整備をしているというそのこと自体が、今垣の胸の奥に燃えるもののあらわれだ。

 

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 もう一人、本体整備をしていたのは徳増秀樹。こちらはボートを整備室の出入口付近に置いて、本体だけを外して整備室入り。今日は10R1回乗りで、時間も余裕がある。それもあっての本体整備だ。最近ちょいちょい見かけるのは、初日に6を並べる徳増。序盤の大きな着が響く場面が何度かありましたよね。今日は6号艇だから、放っておけば同じ轍を踏みかねない。それを回避したい思いも、きっと徳増にはあるだろう。10Rの不利枠を克服する整備になるか。

 

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 初日のいつもの光景だが、今日も早い時間帯から試運転に飛び出ていく選手が非常に多い。係留所も満艇で、回転調整をしている選手も多い。装着場からは係留所を見下ろす感じになり、しかも距離が近いから、調整の様子などを眺めていると、ボート上の選手とふと目が合ったりする。たとえば倉谷和信。急に上のほうに巨体を感じたのだろう、エンジン音に耳を澄ませながら視線を上に送ったとき、僕と目が合ったという次第だ。いや~、ド迫力のまなざしでありました。ペコリと会釈をすると、倉谷もペコリと返してくれたが、顔つきは強烈。音を聞き取るという集中力を必要とする作業だから、当然である。しかも、どちらかというとコワモテの倉谷だから、その顔は凄味を漂わせてのいるのだ。

 

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 恐縮しつつ視線をずらすと、おっと、毒島誠がボート上にいるではないか。すでに水面を向いており、数秒後には水面にゴー。試運転を始めている。毒島はドリーム戦出走だから、もちろん今日は12R1回乗りである。それを考えれば、これは早い動き出し。「数字どおりの手応え」と言っていた昨日のことを思い出さずにはいられない。モーター2連対率27.9%どおりの感触……レースは6時間近く先のことでも、のんびりしている場合ではないのだ。

 

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 中島孝平の姿もあった。中島は10R1回乗り。やはりまだまだ時間はある。こちらもまったくのんびりするつもりはないようで、今垣同様、この動き自体が気合を表現しているものとも言えるだろう。中島も相棒の2連対率25.4%と低調機を引いた。毒島以上に、これをなんとか立て直さなければという思いは強いはずだ。もっとも、焦燥感などが伝わってくるわけではなく、淡々と準備を進めるあたりはさすがの中島孝平。猛暑などものともせず、今日の中島はひたすら動き回るだろう。

 

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 さてさて、17年ぶり三国SGのオープニングは、カンキュー! 山本寛久が、長田頼宗がまくった展開を巧みに突いて、1Rを制した。お見事!

 手応えのあるレースをできたということなのか、レース後の山本はテンションが高めだった。吉田拡郎と笑顔で楽しそうに語らい合っていただけでなく、2Rのエンジン吊りに登場したときにも川﨑智幸に大きな身振り手振りとともに話しかけていたのだ。太田和美がドリーム戦インタビューで「1回レースをしてみないと細かいところはわからない」と言っていたが、だから選手は初日に早くレースを走りたいというし、1走目の前には不安も抱いたりするわけである。まして山本は5号艇で、不利枠だった。そうしたなかで1着発進は気分を高揚させて当然。いい笑顔です! 昨年のオーシャンでは同じ岡山のカクローがブレイクした。今年はカンキューか!?(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)