BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――猛暑に励む!

 

 

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「キレーイ!」

 日高逸子が声をあげた。すかさず倉田郁美がおどける。

「私? 私? ありがとうございます!」

 えーと……書いてみたのはいいけど、続きが難しいな。事実だけ淡々と言うと、9R発売中、でっかい夕日が対岸にきらきらと輝き、防風壁の向こうにじわじわと落ちていっていた。エンジン吊りのためボートリフト前に歩み出た途端、日高はそれを目にした。もちろん倉田も。うん……美しいです!

 二人だけでなく、エンジン吊りにあらわれた選手はみな、この光景に見とれていた。丸亀ボート、夕刻の景観は最高! 池上カメラマンの指導のもと、いろいろ写真撮ってみましたが、私の腕前ではこれが限界です。皆様、ぜひぜひ本場へお越しください! 県内の名店が臨時出店する「UDON祭り」もやってますよ!

 

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 というわけで、初日。後半の時間帯は、整備室の人口密度が実に高くなっていた。レース後のモーター格納をしている選手もいる。ギアケース調整をしている選手も多数。さらには本体整備に取りかかっている選手も目に付く。初日を走って、レースでの感触を得た選手たち。それをもとにさまざまな調整に入るわけだが、SGなどに比べると整備室にこもった選手は多いように思える。一方でペラ調整室にはスペースが見られる。単純に「女子はプロペラよりも本体」と言い切ってはいけないが、早い段階で積極的に本体を割る選手はたしかに少なくないように思える。本体組をざっとあげると、川野芽唯、喜井つかさ、福島陽子。福島は自分の整備を終えると喜井に寄り添って、温かい目で見守っていた。やはり岡山支部の絆は強いと言うしかない。

 

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 ギアケースは藤崎小百合、松瀬弘美、長嶋万記ら。長嶋は8Rを走ったあと、いったん10R発売中に試運転。その後にギアケース調整にかかっていた。レースで気になった部分を試運転で確認し、その感触をもとにギアケースに取りかかったというところか。そのほかにも、ギアケース調整所ではいろいろな背中を見たのだが、遠目には誰だか確認できない場合もあった。実は視力激低なんです、ワタシ。近づいて確認できたのが、名前をあげた3人ということになる。

 

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 ゲージ擦りを始めていた選手もいたぞ。高橋淳美だ。今日は1着発進で、上々の手応えだったか。整備室中央付近のテーブルで、角ひとみらと笑顔を交わしながら、ゲージをすりすりと擦っていた。角が同じ作業していたかどうかははっきり確認はできなかったが、見た目では高橋のそばに寄り添っているのみ、であったように思う。

 

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 プロペラ調整室に目を向けると、山川美由紀が10R発売中までこもっていたのが目についた。新プロペラで臨んだドリーム戦、時間いっぱいかけて、調整をはかったわけだ。さらには、遠藤エミが11R発売中にペラ室から出てきて、係留所へと向かう姿が。後半の時間帯には試運転と調整を繰り返す姿を見かけていたのだが、ペラ調整はさらにギリギリまで続けられていたわけだ。ドリーム戦は残念な(また、ぶっちぎられたモーターの様子が心配な)結果となってしまったわけだが、今日の努力が無駄に終わるわけはないと思う。山川ともども。

 

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 ペラ室で長く見かけたのは、山下友貴だ。これはもうレディチャン、もしくはクイクラ恒例の姿と言っていい。オールレディースとかヴィーナスシリーズとかでも同じのはずだ。山下はとにかく、徹底的にペラ調整に励む。レース前ならギリギリまで。レース後も時間が許す限り。その姿勢には常に頭が下がるというもので、本人は「手際が悪い」みたいなことを言っていたけれども、それは謙遜だと断言する。

 だからこそ、近況のリズムの悪さがどうにも気になるわけで、10R発売中に試運転に飛び出す姿を見るだに、早いところ出口を見つけてほしいと思ってしまう。それが今節ならなお良し! やはり努力は報われてほしいですよね。

 

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 あと、渡邉優美もとことん頑張ってました! レディチャン初出場の精鋭は、初日は不本意な成績に終わってしまったが、その後も調整に試運転にと励んでいた。丸亀の試運転タイムは10R発売中まで。渡邉も山下や長嶋らとともに、夕暮れの水面を駆けていたのだった。今節は水神祭、見せてくださいね!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)