BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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丸亀レディチャンTOPICS 初日

ピンピン・ラッシュ!!

 

 ピンピン連勝発進あり、重い着順を並べる選手あり。今日の女子軍団は、天国モードと地獄モードに二分された。まず、超ゴキゲンな天国モードに突入したのは魚谷香織だ。口開けの1Rは逃げ圧勝。ほぼ満潮の時間帯での勝ち時計1分49秒2も優秀(ほぼ干潮のドリーム戦に次ぐ今日の二番時計!)で、パワー的な裏付けも十二分に感じさせた。

 

 

 

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 波に乗ったら止まらないのがカオリンだ。後半の8Rは、2コースからズブ差しで連勝。「2コースの魚谷はジカまくり主体」としたもので、その特性はインの岩崎芳美も熟知していたことだろう。スリットで覗いた魚谷は、例によって「まくりに行くぞー」というオーラを発した。で、「そんなのお見通し」と岩崎が早めに握ったところを、冷静な差しハンドルをぶっこんだ。魚谷としてはまくる気満々からの方針変更だったようだが、今までジカまくりの種を撒き続けてきたからこそ、差しの破壊力も倍増したわけだ。

「昨日、旦那さんがすごくいい流れを作ってくれたから、です」

 勝利者インタビューで、魚谷は声を弾ませた。確かに、昨日の芦屋の優勝戦で“旦那さん”は道中大逆転Vという離れ業をやってのけた。あのミラクルVの勢いが、そのまま丸亀の水面まで飛来したのだろう。まあ、1・2号艇での連勝で「夫婦Vリレー、愛のバトンタッチ」などと煽るのは早計だが、パワー的にもリズム的にも今節のカオリンはかなり怖い存在だとお伝えしておく。

 

 

 

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 香川素子のピンピンも鮮やかだった。3Rはコンマ08まで踏み込んでのイン逃げ。1マークを回ってみたらば5艇身差、みたいな影をも踏ませぬ圧勝劇で勢いに乗った。後半の7Rはイン津田裕絵と2コース松瀬弘美がゴリゴリの大競りをしている間に、3コースからズッポシのごっつあん差し。展開一本とはいえ、ターンの初動の早さ速さは唸らせるものがあった。パワー的には「中堅上位レベル」が私の見立てではあるが、実力&流れを加味すればもちろんV戦線の有力候補と断言していいだろう。

 

 

 

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 そしてそして、3人目のピンピンレーサーが福岡の元気印・小野生奈だ。5Rのイン逃げはともかくとして、凄まじかったのが10Rだな。他の5選手には申し訳ないが、このレースは「生奈の生奈による生奈のためのレース」と呼ばせてもらおう。まず、1マークは2コースからジカまくり。で、このターンは元気がありすぎて?ものの見事にぶん流れた。一言で言えばターンミス。あっという間に今井美亜、細川裕子にズボズボ差され、バック3番手までずり下がった。

 

 

 

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 が、生奈オンステージはここからが本番だ。1周2マーク、大きな弧を描く全速の握りマイで、2番手の細川裕子を瞬時に追い抜いた。パワーは細川に分があるはずで、恐るべき旋回力と言うしかない。この一撃ターンで2番手に浮上した生奈は、3艇身前にいる今井を追うわ追うわ追うわ。グイグイ差を詰め、3周1マークの全速差しでついに今井を捕えきってしまった。ありえない逆転劇に見えたが、「オールスターで智也を抜き去った女」であることを思い出せば、実は驚くには値しない1着でもあったか。とにかく、ジカまくりあり、ミスターンあり、ニュージェネ級の全速ぶん回し&全速差しあり……生奈にしかできないようなド派手な3周回だったなぁ。

 

 

 

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 一方、地獄モードと呼びたくなるほど苦戦を強いられたのは、金田幸子、樋口由加里、遠藤エミらだ。それぞれ部品を換えるなどの応急手術を施し、特に11Rの金田に至っては電気一式、ピストン、リング4本などなど全トッカエで臨んだが、良化の気配は感じられなかった。このまま水面を這い続けて準優進出戦すら乗ることができないのか……元女王の奮闘に期待しつつ、どこかで美味しい舟券を召し取るべく今後の気配をチェックしていくつもりだ。(photos/シギー中尾、text/畠山)