BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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尼崎ヤンダビTOPICS 初日

F2戦士、奮闘。

 

 

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 今節は尻に火が点いたF2戦士が4人いるのだが、やはり人気の盲点になりやすい。そう感じたのは、2Rの島村隆幸だ。このレース、インの桑原悠が逃げ、4コース黒井達矢が捌いての1-4決着。2連単710円の人気サイドだったわけだが、3着にしぶとく5コースの島村が食い込んで3連単は60倍まで跳ね上がった。島村は知る人ぞ知る大穴ルーキーだ。人気がなければないほど燃えるタイプで、ここでの3着あたりは十分に想定できた。それが、「F2」という先入観と知名度の低さとで配当が一気に跳ね上がったわけだ。今節、私は「島村をアタマで買い続ける」と決めているので舟券こそハズシたが、いつかどこかで一発大穴を開けるかも、という手応えを感じる一戦ではあったな。読者においても、モヒカン島村がラグビージャパン級のサプライズ男であることを肝に銘じてもらいたい。

 

 

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 でもって、今日、とんでもないサプライズをやらかしたF2レーサーが松田大志郎だ。大志郎と言えば、去年の当欄で「大穴ルーキー」として何度も取り上げた記憶がある。まあ、今節の島村的な存在だった。それがここ1年で記念にバンバン斡旋されるわ、SGにも参戦するわ、いっぱしの人気レーサーの仲間入りを果たした。同時に、200%近くもあった回収率(=穴指数)がぐんぐん下降した。つまりは知名度がアップして配当的な妙味の少ない選手になったわけだが、F2という足かせが穴男を再覚醒させてしまった。

 まずは3R、2着に食い込んで120倍の片棒を担ぐ。買った丹下将も人気の盲点ではあったが、大志郎もさっぱり売れてなかった。そこですかさず万太郎を演出あたり、さすがの元・穴男(笑)。と感心したものだが、こんな配当はほんの序の口でしかなかったな。後半の8R、大志郎はやらかしてしまう。最アウト6コースからズボ差しの1着。展開の利があったとはいえ、すさまじいズボ差しだった。「茅原かっ??」みたいな根っこ差しで、3連単は56340円!! いやぁ、SGにも出た男だし展示タイムも突出してたんだから、なんぼなんでもツキ過ぎでしょう。やはり、F2というファン心理が配当を大きく引き上げたのだな(私も1-6の一本買いでした……)。本日2着1着、万シュー2本を引っ提げて勝率9・00。さすがに明日からは一気に人気がアップしそうだが、それでも抜かりなく元・穴男のオッズに着目してもらいたい。

「SGでは活躍できなかったので、ここでがんばります!」(選手紹介)

 

 

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 そう、F2大志郎は、別に穴を開けるために奮闘しているのではない。重いハンデを克服し、本気で優勝するつもりなのだ。どのレースでもどんな枠番でも、大志郎の1着は常にありえる、と肝に銘じるとしよう。

 さてさて、そんな大志郎とは裏腹に、舟券に絡めなかったのが西川昌希だ。昌希の場合はF2持ちのみならず事故点パンパンという二重苦を背負っている。それでも、この男が絶対に降りないことを、いまや全国のファンが知っているだろう。今日も、あの手この手を尽くしたのだ。1Rのスタートはコンマ10。道中では突進気味の切り返しで鎌倉涼の前を横切り、3着を奪いに行った(結果は最逆転の差しを食って4着)。事故パンなのに、減点スレスレの奇襲を敢行するあたりが昌希だ。

 

 

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 さらに6号艇の6Rでは、当たり前のように前付けに動いた。さすがにスタートはコンマ17と慎重だったが、1マークは混雑する船団の中に怯むことなく舳先を突き刺した。最終的に、大差の6着。ただ、ハナから降りての6着と全力を尽くしての6着では、まったく意味が違うのだ。明日以降も、昌希は予選突破~優勝を目指してガムシャラに突き進む。これは予測ではなく、確定事項なのだ。今日の4・6着で少しでも人気を落とすようなら、昌希アタマ狙いを予想ファクターに加えてもらいたい。明日は1号艇の一発勝負。私はワケがあってこのアタマを買わないのだが、昌希の闘魂あふれる先マイに期待している。

 

 

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 もうひとりのF2戦士・北野輝季も惜しくも舟券に絡めなかった。竹井奈美との熾烈な3着争いに敗れて4着。3号艇で6コース進入だったので「テルキ、降りたのか??」と一瞬だけ思ったが、単にピット離れが悪かったのだろう。道中の走りっぷりを見て「明日からも狙えるぞ」という確かな手応えを感じた。しかも、バナレ以外のパワーは間違いなく上位級でもある。知名度は、島村同様まだまだ全国区とはいえないし。事故点にはかなりの余裕もあるし。パワー的にも配当の妙味的にも、穴党はテルキを絶対に軽視してはならない、とお伝えしておく。明日はいきなり1Rの5号艇。またしても6コースかも知れないが、大志郎のようなドカーン一発を警戒しておきたい。

 

 最後に、今日の実戦を見て私なりのパワー評価を記しておきたい。

 

 

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★★Sランク(抜群候補)/河合佑樹、松田大志郎(伸びSS)

★Aランク(上位候補)/宮地元輝、杉山裕也、岩瀬裕亮、篠崎元志、鎌倉涼、遠藤エミ

 

 こんな感じで、遠藤エミはまだまだ整備途上だと思う。きっちり合えば、S~SSもありえる。今日の11Rの道中を見て、やっとその片鱗を感じることができた。一方、1号機の秋元哲は……うーーん、かなーーーり厳しそうですっ!!(photos/シギー中尾、text/畠山)

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