BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――2日目朝も静か

 

 

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 今朝も、どういうわけだかピットは静かだった。1R発売中に関しては、昨日よりも落ち着いた空気だったような気がする。ペラ室を覗くと、人口密度が低い。1R終了後には吉川元浩など2~3人しかいない時間帯もあった。1R発売中はもっと多かったんだけど……。もちろん、その後もペラ室の出入りはあって、12R1回乗りの王者が早くも入っていくのを見かけている。

 

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 整備室では何人かが整備中。瓜生正義、赤坂俊輔、中島孝平、松村敏。それぞれに交換があるのか、点検程度なのかは確認し切れなかったが、中島にはびっちりと整備士さんが寄り添い、また別の整備士さんが赤坂を見守っていたのが他の2人とは少し違ったところか。その後、瓜生の隣にも整備士さんがいるのを見てはいるが。

 

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 松村の隣には、山田哲也がいた。ヤマテツのボートは係留所にあったので、試運転の合間の一休みといったところか。それよりも、この二人、艇界を代表するスタート野郎だ! ヤマテツはすでに有名だが、松村もすごいぞ~。出走表に記されている平均スタートタイミング=コンマ12は、ヤマテツよりも菊地孝平よりも早い。今節もどこから快スリットからの豪快戦を見せてくれるはずだ。SG初出場でまだネームバリューでは後手を踏んでいるわけだが、名前が知れ渡る前に大穴あけてくれないかな~。

 

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 スタートが早いといえば、原田幸哉の平均スタートタイミングもコンマ12。開会式では「ぶち込みます」宣言もしており、久々のグランプリ出場に向けて、ばりばり踏み込んでくるはずだ。その原田は、今日はうつむいている場面を多く見かけた。別に落ち込んでいるわけではなく、これは原田が考え込んでいるときの姿勢。視線を下に向けて考え込む選手はわりと多いが、原田の場合こうべを垂れているから、うつむくような姿勢になる。調整について考えているのは明らかで、不本意だった初日を巻き返す策を探しているに違いない。策士が見せる一手は何だ!?

 

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 原田は昨日現在で賞金ランク14位、ここで上積みできれば大きいし、しかしまだチャレンジカップも残っているが、なんとしてもここで踏ん張らねばならないのは、井口佳典だ。今年序盤の長い休みもあって、賞金ランクは昨日時点で67位。白井英治が昨日、グランプリへの道を閉ざしてしまっているわけだが、その白井よりも下位に、井口はいる。チャレンジカップに出るためには優出は必須。それも、優勝戦上位が求められる公算が大きい。バリバリの勝負駆けなのだ。

 その井口は1Rで4着。初日5着で、苦しい立ち上がりとなってしまった。それもあってか、あるいは機力も足りないのか、レース後の井口には精気がなかった。敗れてもしゃきしゃきと歩いていることが多いのに、足取りにも力が薄い。アームプロテクターをぽとりと落とす場面もあった。この正念場をどう乗り切るのか。今日の後半(6R)はもちろん、残りの予選レースではおおいに注目したい。

 

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 というわけで、グランプリへは余裕綽綽の賞金ダントツ山崎智也。同期の川北浩貴と楽しそうに会話を交わしながら歩いているのでありました。もう10年近くも前、智也に連想ゲームを仕掛けたとき、「同期」と振って出てきた答えが「川北くん」。今はどうか知らないが、昔はしょっちゅう電話していたそうだ。SGでもともに奮闘するのは、きっとお互いにとって楽しいことだろう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)