BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@グランプリ――雨!

 

 

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 雨が降ると、モーターの気配は変わる、と言われている。雨が降ると湿度が上がる。気圧が下がることもあるだろう。これらは、モーターの回転の上がりを妨げる。したがって、選手たちはその分を調整してレースに臨む。気配が大幅に下がることもあるからだ。

 ところが笠原亮は今朝、「雨降って、もう一丁良くなった」という。笠原の足はかなり良さそうだが、ただしここまで回転は合っていなかった。トライアルの時間帯は気温が下がるので、想像以上に回転が上がりすぎてしまうのだそうだ。それが、天候によって回転の上がりが鈍ったことで、むしろちょうどよくなったわけだ。予報によると午後には雨が上がりそうだが、湿度は簡単には下がらないはず。また、笠原とて予報などを見ながら、さらに調整を進めるだろう。とにかく、今日の笠原は昨日まで以上に脅威! 展示などでもぜひ気配を確認してください。

 

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 ともあれ雨が降っているので、やはりペラ調整に励んでいる選手は多い。シリーズ組ももちろんだが、グランプリ組の姿も多く目にする。昨日のレース後に速攻でペラ小屋に飛び込んだ毒島誠は、もちろん今日もペラ調整。ただし、2R発売中にゲージを手に整備室に入っていくところを見ている。もしかしたらゲージ擦りに移行するのかもしれない。

 

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 山崎智也もペラ調整だ。いやあ、それにしても、表情が険しいぞ、智也。険しいというか、普段にはない、気合のこもった顔つきをしている。昨日のグランプリ2nd選手の公開インタビューでは、けっこう気合が入っていると言っていたが、うなずける表情を智也は見せている。結婚直後のシリーズを優勝、奏恵さん引退直後のグランプリを優勝、そしてご長男誕生直後のグランプリを……なんて智也らしいドラマが本当に実現する!? 智也も「そう書いてもらえるよう頑張ります」と会見で言ってたし。智也が“持ってる”男だということは誰もが皆知っている。それをますます強く思わされる智也の雰囲気である。

 

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 太田和美もペラ調整だが、その前の姿が印象に残った。係留されたボートの後ろに立ち、水面のほうをじーーーーっと眺めていたのだ。降りしきる雨を見ていたのか、雨粒が叩く水面を見ていたのか、吹き流しなどの風を見ていたのか、とにかく太田はしばらく微動だにしなかったのである。その後、太田はペラを手にペラ小屋に向かっていて、その目で確認した何かも調整の参考にしようということだろうか。住之江の水面を知り尽くした太田だけに、その行動に意味がないわけがないと思う。

 

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 そしてもう一人、守田俊介もついにペラ調整! って、昨日ももちろんやっていたが、それは午後の時間帯になってから。今日は1R発売中にペラを外し始めたのだから、驚いた。いや、普通のことなんだけど、昨日までの守田はとにかく動き出しが遅かったから、目を惹いたのだ。やはり、天候が変わったことが守田を動かした、ということだろう。今日の守田は一日中動きまくるのか、それとも早くに調整を済ませてのんびりレースを待つのか。本場に来られる方は、試運転に守田がどの程度出てくるのか、ぜひ注目していただきたい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)