BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット@シリーズ――一生懸命

 

 

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 本体整備を行なう際、ボートを整備室に持ち込んで、そこで本体を外して、というパターンはときどき見かけられる。モーター、重いですからね。朝いちど装着して、試運転したけどなんかおかしい、だから本体外して整備、てな場合は、ボートごと整備室に運んでしまうのだ。

 整備室が狭い場はもちろんできないことだけれども、福岡ではちょくちょく見かけるもの。ただ、それにしても5艇も整備室にあるというのは驚いた! 福岡の整備室はなかなかの広さだとはいえ、5艇ですか! これはすごい。

 

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 ネームプレートを確認すると、魚谷、香川、中谷、平田、櫻本。たしかにこの5人は、奥のほうの作業スペースにその姿が見える。ドリーム組3人は、昨日の会見でも分の悪さ、あるいはセッティングの違和感を語っていた選手たちで、それぞれ出番までは時間があるので、本体整備に取りかかったということだろう。平田さやかと櫻本あゆみは、ともに7Rに出走。こちらもそれなりに時間はある。幸先良い1走目とするために、やれることはやって臨みたい、というのはみな一緒だ。

 

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 本体整備以外の選手だって、もちろん作業に励んでいる。1R発売中に係留所を覗き込んでみると、ずらりボートが並んでいる。コインパーキングなら「満」のランプがつくところだ。空いている係留所が本当に見当たらなかった。朝から試運転と調整を繰り返す選手がいかに多いかという証しの光景である。2R発売中に水野望美が着水しようとしていたのだが、係留所、空いてるのかしらんと心配になって、思わず確認してしまった。水野選手、安心してください、空いてますよ。1R発売中には3R出走組のボートがいくつか係留所にあったということだろう。2R発売中には当然、展示ピットへとそれらのボートは移動されている。

 というわけで、なんとも慌ただしい初日の朝。それはSGでも変わらない光景だけれども、パワーアップへの執念みたいなものが感じられるSGと比べると、女子戦のそれは「一生懸命」という感想が浮かんだりする。執念よりも必死さが伝わってくるのだ。

 

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 さて、1R。堀之内紀代子は5着に敗れた。レース後の当たり前の光景としては、「岡山会議」が始まるところ。岡山支部はレース後にずらり揃って“反省会”のような会話をしていることが多い。ただし、このレースにはもうひとり、福島陽子が出走していた。岡山会議の中心となるのはたいていテラッチと福島。テラッチは不在で、福島は対戦相手でしかも勝者なのだから、今回は会議の開催はなかった。で、堀之内がえらく長い間話し込んでいた相手は津田裕絵。同じ中国地区だが、ずいぶんと後輩。堀之内はヘルメットも脱がずに、ずーっと津田と会話を交わしていた。去年の住之江でも、津田が他地区の選手と長く話し込んでるのを見たことがある。「ここは回転止めたほうがいいと思う」なんて言葉も聞こえた。津田はさまざまな人に頼られているのかもしれない。

 

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 2Rでは、3着に敗れた今井美亜が、香川素子と話し込んでいた。福井支部と滋賀支部は、東近畿というのか、わりと近しいように思う。いちおうお隣の県ですしね。今井は逃げ切れなかったことの不満を香川に吐き出しているのか、かなり不機嫌な表情であった。それをなだめる香川先輩、という図。今井は福井支部からは単身参戦。滋賀支部の先輩は心強い存在となることだろう。明日からは遠藤エミも来るぞ!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)