BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット@シリーズ――マキとの会話

 

 

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 1R、待機室のモニターをガラス越しに見ていたら、長嶋万記が隣にやって来た。装着場で作業をしていた最中に1Rが始まったのだ。手にしていた出走表を長嶋に見せる。そのとき6艇はスリットを抜けて、1マークへ。2コースの垣内清美がツケマイに出る。しかし、届かない。

「よしっ、逃げたっ!」

 

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 長嶋が声援を向けたのは、渡邉優美。支部も違えば期もけっこう下だが、二人は仲良しなのだ。ここまで結果を出してこれなかった後輩の勝利を、長嶋は喜んでいる。

 ピットに上がり、エンジン吊りを終えると、渡邉は嬉しそうに長嶋のもとに駆けつけている。渡邉にとっては信頼できる先輩の一人だ。結果が出れば、まず報告したくなるというものだろう。これで予選突破には望みがつながれた。後半も何としても結果を出したいところだ。

 

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 長嶋は、渡邉が安全圏を確保すると、3番手争いに甘んじる香川素子に心配の目を向けている。仲のいい選手の苦戦は、やはり心を曇らせるものだろう。ここまでの結果が示す通り、機力的に苦戦している印象の香川だ。それを長嶋もわかっているし、だからこそ、実力上位のはずの香川の苦闘に思いを馳せることになるわけだ。香川より平田さやかのほうが良さそうだよなあ、森岡真希も悪くないしなあ、などと呟いていると、長嶋もふむふむとうなずく。平田さんは回り足がって言ってたけど……などと長嶋も呟いていた。

 

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 そんなことより! 昨日は巻き返した長嶋万記はどうなのよ! と話は向かうわけである。曰く、よくなった、と。戦える足になった、と。マキがマキ返した、と続けようとしたけど、やっぱりやめた。どうしようもないオヤジギャグでリズムを崩すわけにはいかん。ただし、明るい表情となったのは確認できた。今日はマキ返しではなく、さらに調子に乗っていく一日だ。2R発売中には、福島陽子と話し込む姿もあった。誰からも頼られるヨオコ姐さん。長嶋も彼女の言葉でさらに力を得たことだろう。

 そんなこんなの会話を交わしながら、最後の話題は今節の売上の話となった。初日が11億オーバー、昨日が12億オーバーって、SGか! いや、このところのSGよりヘタすりゃ売れてるくらいだ。まだトライアルが始まっていない、いわば一介のGⅢが。実際は一介のGⅢではないわけだが(週末の開催だったし)、マキちゃんたち、あんたたちはエラい! なぜこの開催がここまで売れるのか、ちゃんと検証しなきゃいかんよなあ、と思った次第なのである。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)