BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島クラシックTOPICS

敗北宣言……(涙)

 

 今日もエンジンについて書く。昨日の『前検を斬る!!』の独断パワー番付に初日の実戦足を加味して、より正確なパワー評価を記しておきたい。端的に言ってしまうと、「素性機&評判機が、ほとんどまんま強力だった」だな。

 

 

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 たとえば、坪井康晴=エース28号機。レースを観戦した方には、多くを語る必要もないだろう。今日は6コース2着&5コース3着。前半4Rはアウト根っこ差しからバック最内をグイグイ伸びて、3艇ほどをゴボー抜き。2マークの小回りターンもキレキレで、難なく2着を取りきった。

 後半10Rの3着も圧巻の一語。1マークで後手を踏んで道中5番手に甘んじたが、ターンマークごとに差を詰めてあれよあれよと舟券に絡んでしまった。昨日はやや物足りなさを感じた伸び足も、展示タイムからトップレベル。競馬用語で言うところの「テンよし中よし仕舞いよし」状態で、申し分のない仕上がりである。

 

 

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 たとえば今垣光太郎=15号機。今日は好枠を利してピンピン連勝だったが、1マークの展開はちょっぴり肝を冷やすものだった。まず、3Rはイン谷村一哉がドカ遅れで、2コースからのナチュラルまくり。そこに3コース池田浩二の狙いすましたまくり差しが襲いかかった。一瞬、池田の舳先が入ったように見えたし、昨日の私の評価「池田の行き足~伸びがトップ級」が正しければ、そのまま突き抜けを食らったはずだ。が、実際には光ちゃんのレース足の方がはっきり強力だった。私の前検の見立て違いだったかもしれないし、今日の整備で相場が変わったのかもしれない。どっちにしても、今日の段階では「池田41号機が節イチ候補」はありえない想定になってしまった。

 後半10Rの光ちゃんのイン逃げも、楽勝ではなかった。1マークを回った瞬間は、ズブズブに差されても不思議ではない景色に見えた。が、前半同様、ターンの出口からバック中間までの150mほどで、15号機は他艇を2艇身近くも置き去りにしていた。2連率48%の底力を、如何なく見せつけた。

 

 

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 たとえば守田俊介=前エース55号機。今日のドリーム戦はスロー6コースから4着止まりではあったが、「負けてエンジン強し」の印象を抱いた。まずは、スリット付近の行き足。ほぼ横並びのオールスロー発進から、6号艇の舳先だけがスーーッと自然に伸びていった。さらに、道中では先行する篠崎元志に2連発のツケマイを浴びせ、ものの見事に引き波にハメた。あの力でねじ伏せるようなパンチが、全盛期の55号機の持ち味なのだ。

 

 

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 そして、忘れちゃいけないのが三嶌誠司=75号機だな。2節前に優勝した田中和也が「全部の足がよかった」と胸を張ってみせたものだが、今日の気配もそのまんま。ここ1カ月の上昇度だけで言うなら、28号機を超えているかもしれない。

 うん、今日の全レースを観戦した限りでは、28・15・55・75号機が「今節の四天王」だと確信した。

「おいおい、これって素性どおりじゃん、そんな誰もが知ってることを力説されても意味ねーぞ」

 というお叱りの声は甘んじて受けます。けれども、強いものは強い、と伝えるしかない1日だったのです。昨日のちょっとヒネリを加えた私の前検番付は、モーター機歴を打ち破ることができなかった。20%台の今村豊のエンジンは、やはり実戦では非力さを露呈した。節イチ候補に抜擢した池田41号機も、四天王の次のレベルだった。ちょっと悔しいが、そうだったのだから仕方がない。それを、この場ではっきりお伝えしておきます。

 この4機を含めた新たな番付を記しておこう。

 

SS級(節イチ候補)

★★★坪井康晴=28号機

 

S級(抜群候補)

★★今垣光太郎=15号機

★★守田俊介=55号機

★★三嶌誠司=75号機

 

A級(上位候補)

 

 

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★遠藤エミ=23号機…中島孝平を全速マイで追い詰めた足色は迫力満点。回り足もソコソコしっかりしていて十分に戦えるパワーだ。

★池田浩二=41号機…光ちゃんに見劣ったというだけで、上位の一角であることは間違いない。気候や整備次第で、また節イチ候補に昇格する可能性も考えておきたい。

★毒島誠=60号機…パワーだけならやや見劣るが、昨日も書いたとおり毒島の高速ターンにぴったりフィットしている。選手との相性も加味して有力なV候補。

 

 

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 以上の7機がやや抜けていて、その下に山崎智也71号機、桐生順平11号機、萩原秀人39号機、松田祐季30号機あたりが続く。私がもっとも期待していた湯川浩司17号機は、今日の段階では中堅レベル。昨日のピットレポートにあったように、ペラ交換の影響が大きいのかもしれないし、今日はエンジンとペラがまったくシンクロしていない印象だった。ただ、独自のペラ調整で知られる湯川がしっかり合わせきれば、明日にでも一変する可能性はあると思う。「所詮は36%級のエンジン、暮れ~年明けに活躍したのはたまたま」などと決めつけず、湯川の気配を常にチェックし続けていきたいと思う。大化けした瞬間が、イコール大穴ゲットの大チャンスなのだから。(photos/シギー中尾、text/畠山)