優勝戦メンバーは、6人が6人、実にゆったりと過ごしていた。優出公開インタビューを終えてピットに戻ってきてから、1Rスタート展示までに装着場に姿をあらわしたメンバーは皆無。スタート展示中に山崎智也があらわれ、地上波放送のインタビュー収録を受けたのが一発目だ。インタビュアーが旧知の永島知洋氏だったので、完全にリラックスモード。それを終えるといったん整備室のほうに向かったが、すぐに控室へと戻っている。ちなみに、「カドでもいい」と言っていたとか。3カドってことではないとすると、むむむむ……。
ボートを確認に行くと、智也、毒島誠、瓜生正義はモーターを乗せもしていなかった。魚谷智之は装着を済ませてはいたが、ペラが着いたまま。動き出しはまだ先になりそうだった。
準備らしい準備を最初に始めたのは瓜生。ヘルメットとカポックをもって装着場にあらわれたのだ。地上波インタビューを受けたあとにはいきなりカポックを着込む。まだモーター乗ってないんですけど……。点検、装着などを終えれば、すぐにでも試運転に出る腹積もりだろう。
ペラ室に最初に入ったのは重成一人。モーターからペラは外れていたので、優出インタビューに向かう前には調整していたのだろう。訥々、淡々は最近の重成のキャラだが、それにしても今日は表情に力もこもっている。枠もコースも機力も展開も無視するなら、表情でもっとも舟券を買いたくなるのは重成だ。6人で唯一のSG未冠。優出インタビューでもそのことを口にしていたが、淡々とした表情の奥には、決意のようなものがあるかもしれない。
毒島誠と池田浩二は、1Rのエンジン吊りでやっと姿を見かけた。ともにリラックスしている様子。池田は重成同様、ペラがモーターに着いていなかったので、すでに調整はしていたはずだが、2R発売中までに再開した様子はなかった。同じく2R発売中までには毒島は調整に向かう姿は見られなかった。魚谷にしても、同様だ。地上波インタビューの後に自艇のもとに向かう姿は見たが、ほとんど時間をかけずに離れており、調整開始はもう少し先になりそうな様子である。
というわけで、なんとも余裕、なんともリラックスムードの優勝戦午後イチである。ナイターってこともあるんですかね。足に不安があるならともかく、優出メンバーはいずれも好気配。ならば、まだ陽が高く気温も高い時間帯に大きな動きを見せても、優勝戦時の気候を考えれば、調整がズレる可能性もあるだろう。これを書いているのは3R締切。これから少しずつ始動し始め、気温が下がってくる夕方あたりからは調整のピッチが上がり、選手たちの緊張感も高まっていくだろう。あと、気になるのは池田浩二のコース獲り。調整を進めながら、池田はどんな作戦を思い描いていくのか。また、その動きを見据えて他5名が何を考えるのか。スタート練習は要チェック!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)