BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――ムードメーカー

 

 

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 既報どおり、塩崎桐加がGⅠ初勝利。おめでとう! 今日はオレンジベストでの出走だったわけだが、1~2年前までは52kgくらいでの出走が多かった塩崎である。それが46・5kgでの出走とは、この地元レディチャンに懸ける思いがうかがえる。もちろん水神祭が最終目標ではないはずだが、まずは1着を獲れて安堵の思いはあるだろう。

 着替えを終えた塩崎は、エンジン吊りをヘルプしてくれた先輩たちに挨拶行脚。すでに係留所だったり整備室だったりに散っていたため、いちいちすべての先輩を探し、見つけると駆け寄り、深く頭を下げていた。後輩のGⅠ初勝利を笑顔で称える先輩たち。それを見ていた海野ゆかりも、微笑ましい光景を目にして優しい笑みを浮かべていた。

 水神祭があると、ピットの空気がぐっと華やぐ。SGでもそうだが、女子戦ではさらにだ。とびきりの歓喜がどこかに芽生えると、それが全体の空気に伝染していくのだろう。水神祭は、どこかムードメイキングの効果を持っているようである。

 

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 ムードメーカー。やっぱりこの人か。松瀬弘美。開会式での熱唱パフォーマンスはもはや定番。これを見たいから、毎年「何としてもレディチャンへ!」と松瀬を応援したくなる。2年連続で見られたのは僥倖。昨日の開会式後に「お見事! 盛り上がりました!」と喝采を送ると、「いや~、ちょっととちっちゃったんですけどね~」と謙遜しながら満更でもなさそうだった松瀬である。今日も今日とて、ピットに笑顔を生む。終盤の時間帯、松瀬のスタイルは深いグレーのジャージ、黄色の長袖の上にオレンジのTシャツ、大きめのサングラス、キャップといったもので、ハッキリ言って最初は洗濯係のおばちゃんかと思っちゃいました!(すみません)あるいは、ゴルフ場のキャディさんというか。このスタイルはもちろん話題になるわけで、そばを通りかかった大瀧明日香が「誰かわからなかった」と笑うほど。あ、もちろんちゃんと作業はしてましたよ。真面目に仕事をしつつ、同時に周囲にほんわかした空気を提供する松瀬なのである。

 

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 岩崎芳美も、やはりムードメーカーの一人ですかね。今年も開会式ではおおいに滑り……失礼、楽しませてくれた岩崎。パフォーマー仲間(?)の長嶋万記と、昨日の開会式後にはおおいに笑い合っており、ピットに開会式の余韻を漂わせていた。

 今日のレース後もまたひょうきんさ満開。JLC解説者の徳増宏美さんが若手と写真撮影をしていると、そこに乱入。ピットに笑い声を生んでいる。空気を軽いノリに持っていくのはお手の物というか、その大きな大きな笑顔が必ず場を和ませる。もちろん、岩崎も作業は真面目。今日も撮影の輪を離れるとすーっと表情が真剣になっていって、レース後の点検、格納作業に取り掛かっていた。そのオンオフも含めて、得難い存在である。

 

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 さて、ピットがやや喧騒に包まれたのが、10R発売中だ。試運転を終了してピットに上がってくる選手が続出したのだ。今日も熱暑の津ボートだが、汗だくになるのも厭わずにレースを終えても水面を駆け巡った選手が多かったということである。その終了タイミングが、10R発売中に重なった。もともと津の試運転可能時間は11R発売中までなので、頃合いといえば頃合いなのだろう。ハッキリ言って、メモが追いつきませんでした。谷川里江、岸恵子、原田佑実…………まだまだいたのだが、チェックし切れていない。そのエンジン吊りには若手選手を中心に選手たちが集結するから、ボートリフト周辺は人でごった返していた。宇野弥生に平高奈菜に……もっともっといたけど、これまたメモし切れない。モーターを課題に乗せるときの金属音なども聞こえてきて、まるでレース終了後の様相を呈しているのだった。その空気感も何とも心地よし。笑顔も美しいが、やはり戦っているときこそナデシコたちは美しいのである。(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)