BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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福岡ダービーTOPICS 2日目

奇遇すぎる“奇-偶”

 

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ちょいとオカルトっぽいお話を。初日1Rに岡崎恭裕が5コースまくり差しを決めてから、昨日今日と奇数コースが勝ちまくっている。24戦して実に22勝!! その内訳は①14勝③5勝⑤3勝。1コースの14勝は当たり前として、3&5コースで8勝は特筆すべきだろう。理由をこじつけるなら「まくり水面の福岡は自力で攻めるタイプが有利。で、近代ボートレースは135コースの握りマイ、246コースの差しが主流だから、福岡では奇数コースの1着が増える」ってな感じか。ちなみに偶数コースで勝ったのは今日の2R太田和美の2コースまくりと、12R坪井康晴の2コース差し。このふたつだけだった。

 

 

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――もしかして、福岡のビッグレースは奇数コースのアタマで勝負しろ、なんてセオリーがあるのかしらん。

 ってなわけで、過去5年まで遡って福岡の記念(2011年10月からのSG、GI、GⅡ)のコース別1着率を調べてみたらば、2コースの17%に対して3コースが18%。全国24場の記念で「2コースより3コースの1着数が多いレース場」は、この福岡と戸田だけだった。さすが東西を代表するまくり水面!

 それからそれから昨日今日の2着を見てみると、こちらは偶数コースの天下。24戦中18回が246コースだった。1着の大半を奇数が占めているのだから当然といえば当然なのだが、それにしても極端すぎるほどの「奇数-偶数」決着だ。仮に昨日の1Rから3連単の「135-246-全」(36点)という舟券を黙って買い続けていたら、24レース中18レース的中で回収率は180%!!という大儲けでありました(笑)。うーん、この傾向が明日以降も続くという保証があるなら迷わず「奇偶舟券」を買うんだけど、気づいた瞬間に崩れるんだよなぁ……。

 

瓜池vs超抜コンビ??

 

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「地元・福岡の顔」瓜生正義が超本気モードに突入だ。その兆候は、昨日の5Rから見られた。6号艇から前付けに動いて4コース奪取。勝負駆けの4日目などではたまに動くこともあるが、初日からゴリゴリ行くのは極めて珍しい。このシリーズに懸ける意気込みがひしと伝わる前付けだった。で、その気合をそのまま実戦にも反映させて2着ゲット。返す刀で、後半10Rは3コースから豪快なまくりで10点をもぎ取った。

 今日の瓜生は1号艇の1回走り。肝心の機力に関してはまだまだ納得の域に達していないようだが、その不安な部分を気迫のスタートでカバーした。コンマ05、おそらくほぼ全速。鋭いトップスタートから、うねりをモノともせずに逃げきった。この10点を加算して28点、暫定トップに立ったのだから流石と言うしかない。

 地元ファンの声援を背に、瓜生はこのままダービーVまで一気に突っ走ることができるのか。課題はやはり機力だろう。私の見立ては中堅上位あたりか。十分に戦えるレベルではあるのだが、2、3機ほど強力なパワーメンバーが存在するのでもうひと足ふた足はアップさせたいところだ。明日の12Rまで、そのための時間はたっぷりと用意されている。

 

 

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 この瓜生に次いで、暫定2位に食い込んでいるのが池田浩二。昨日のドリーム戦から実にしぶとい走りでしっかり着を拾い続けている。「瓜池時代」と呼ばれてから数年、2日目とはいえ久々にこの両雄の予選ワンツーを見た気がするな。で、池田の課題もパワー面に尽きる。「機勝率(27%)どおり」と本人が泣くほど劣勢には見えないものの、ほぼほぼ中堅ど真ん中あたりか。いや、やはりもっと悪いのかも。インから確勝を期した12R、池田のターンはサイドが掛からず真横に流れ、坪井の2コース差しに屈した。うねりの波紋にハマッた可能性もあるが、水を噛んで直進する坪井とのパワー差は明白に思えた。明日の10Rは池田2号艇vs坪井5号艇。できる限りの調整をして、しっかりとリベンジを果たしたいところだろう。

 

 

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 さてさて、昨日までパワー評価を最高A+に止めてきたのだが、今日の実戦を踏まえてSランクの垣根を取り外した。坪井と白井英治。前出、坪井の2コース差しも凄かったし、白井の5番手からの猛追撃はさらにド派手だった。2周1マーク、2マーク、3周1マークの悶絶ターンは、いくら言葉で説明しても追いつかない。ぜひにぜひにVTRで観てもらいたい。もちろん半分がたは白井の非凡なターンセンスに拠るものだが、残りの半分ほどは29号機の恐るべき回り足、サイドの掛かりだと思う。

 

 

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 昨日の2走も鬼足をフル稼働して先行艇を抜き去り、今日は3艇ゴボー抜きでミラクル2着。この逆転分だけで10点を加算したホワイトシャークは、瓜池坪に次ぐ4位に食らいついた。うん、今日の鬼気迫る追い上げは、まさに『JAWS』級だったな。この恐るべきパワーと勢いで、瓜池を呑み込むことができるのか。とりあえず、明日の10Rは6枠から池田と坪井に襲い掛かる。(photos/シギー中尾、text/畠山)