SGチャレカ部門
賞金ランキング 予選 短評
★1菊地孝平 9590 1位 最終日まで1位キープでGP優位に
★2瓜生正義 9589 6位 最終日までに1位奪取でGP優位に
★3石野貴之 8896 9位 準V以上で1、2位を目指す
★4桐生順平 8065 22位 Vでトップを目指す
★5坪井康晴 7840 2位 7位以下に抜かれぬよう尽力
★6松井 繁 7558 30位 坪井を目標に6位以内死守
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★7平本真之 7107 20位 GP当確。優出3着以上でベスト6目指す
★8山崎智也 6952 28位 GP当確。準V以上でベスト6目指す
★9井口佳典 6797 12位 GP当確。準V以上でベスト6目指す
★10池田浩二 6768 賞除 GP当確もFで1st組確定
11篠崎元志 6673 GP当確
★12岡崎恭裕 6426 8位 GP当確。優勝でベスト6目指す
13白井英治 6019 GP当確
★14篠崎仁志 5765 19位 GP当確
★15太田和美 5563 賞除 GP当確もFで1st組確定
★16重成一人 5348 5位 GPほぼほぼ当確
★17辻 栄蔵 5308 4位 油断禁物
18茅原悠紀 5256 絶体絶命
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▲19峰 竜太 5219 一般戦でミラクル狙うも……苦しい
★20魚谷智之 5202 7位 キーマン。優出当確、
▲21田中信一郎5162 一般戦Vなら可能性あり。若松奮戦中
★22原田幸哉 4978 15位 優出で有力
★23毒島 誠 4860 24位 優出3着以内は欲しい
★24新田雄史 4699 賞除 ―(痛恨のF)
★25赤岩善生 4493 3位 優勝当確、準V微妙
★26湯川浩司 4431 23位 優勝当確、準Vでは……?
★27深川真二 4421 29位 優勝当確、準Vでは……?
28位以下は優勝条件
※★印はチャレカ参戦中、▲は他場参戦
※単位/万円。千円単位から切り捨て
唯一のイン撃破
これぞ大村。大村が、大村としての本領を発揮した。1号艇=インコース11勝。昨日までSGチャレカ部門のインコースは16戦7勝というらしからぬ苦戦を強いられていたが、今日は帳尻を合わせるように白カポックが勝ちまくった。
そんな中、インのパーフェクト勝利を阻んだのが笠原亮だ。3コースからスリットはほぼ同体。2コースの田村隆信が全速の分だけ伸びて、瞬く間に半艇身ほど出し抜かれた。が、そこからが「奇数コースの笠原」の見せどころ。田村が差しに構えるかどうかというタイミングで襲い掛かり、あっという間に引き波にハメた。さらにその勢いのまま、握りっぱなしでインの湯川浩司まで呑み込んでしまった。これぞ、掛け値なしの「強ツケマイ」。初動から銀河コンビを呑み込むまで5秒かかっただろうか。3コース&5コースの笠原の攻めの早さ速さは、艇界屈指と言いきって間違いない。現在の賞金ランクは36位。去年に続くグランプリ参戦にはチャレカVが絶対条件の笠原だが、険しいハードルを乗り越え住之江の夕暮れにその雄姿を拝みたい。できれば3号艇か5号艇で。
反骨精神の行方
漢字の漢と書いて、おとこ。漢・赤岩善生がフルダッシュで大村水面を駆け回っている。昨日まで1・2・3着としっかり舟券に絡んで暫定3位。スタートも08、04、16と気合パンパンだ。今日の赤岩も“漢気”を爆発させた。3Rの4号艇から、王者・松井繁の前付けを受け入れての5カド発進。潔いコース獲りだ。ただ、私の内心には「王者を自力で攻め潰すだけの度胸はあるかしらん?」などというヨコシマな思いも働いていた。
が、赤岩は行った。コンマ08、全速。スリットからヒュンと加速して半艇身ほど抜け出すと、そこから迷うことなく王者を攻め潰した。凄まじい気迫。さらに3コースの平本真之、2コースの桐生順平をも一気に呑み込む。惜しくもインの森高一真には届かなかったが、「これぞ漢」と唸らせる攻めっぷりだった。
で、この豪快な“レッドロックまくり”は、6コースの同期・谷村一哉にも希望を与えた。谷村はスリット同体からしっかり盟友に連動し、スピーディーなマーク差し。これも逃げる森高には届かなかったものの、6コースでの2着は大きい。結局、赤岩は3着だったが、王者を叩ききって同期に美味しい展開を作ったレースっぷりは薩摩隼人そのものだったな。
毎年のように賞金ランクのボーダー付近を賑わし、最近のSGでも予選18位前後での勝負駆けがやたらと多い赤岩。誰が名付けたか「Mr.ボーダー」と呼ばれるようになって久しいが、今節は一味も二味も違う。今日の3着で、明日を待たずに準優当確ランプが点灯。明日の2走は準優での白カポックを狙う戦いとなる。先の桐生メモリアルでは蒲郡代表の座を失い、参戦した柳沢一が優出という結果を残した。自らを「反骨精神の塊」と言いきる水上の薩摩隼人にとって、今節は絶好のリベンジチャンス。準優好枠ゲット~2度目のSG制覇~大逆転GP参戦という下剋上のシナリオへ、明日は非常に重要な1日となるだろう。
レディースチャレカ部門
女子賞金ランキング 予選 短評
★1遠藤エミ 3240 1位 当確
★2海野ゆかり 3011 12位 当確
★3松本晶恵 2921 10位 当確
★4小野生奈 2905 5位 当確
★5長嶋万記 2889 2位 当確
6平山智加 2652 当確
7寺田千恵 2589 当確
★8竹井奈美 2459 9位 当確
★9中谷朋子 2394 17位 ほぼ当確
★10樋口由加里 2393 8位 ほぼ当確
★11山川美由紀 2371 15位 選抜戦は乗りたい
12渡邉優美 2317 ほぼ絶望
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★13魚谷香織 2307 6位 優出で優位に
★14日高逸子 2231 7位 最低限優出
★15平高奈菜 2054 13位 優勝条件
★16平田さやか 2036 20位 優勝条件
17細川裕子 2019 ―
18田口節子 1971 ―
★19藤崎小百合 1948 18位 優勝で?
★20川野芽唯 1946 4位 優勝で?
★21佐々木裕美 1934 14位 優勝で?
★22水口由紀 1919 11位 優勝で?
★23大瀧明日香 1871 3位 ―
★24喜井つかさ 1836 19位 ―
★25中里優子 1782 16位 ―
インコース12戦11勝、1着率92%……今日の大村の話ではなく、レディースチャレカの3日間の戦績だ。SGチャレカのそれは24戦14勝(58%)だから、インの強さでは女子が圧倒している。うーーん、「荒れる女子戦」という言葉はもはや死語なのか。ちなみに去年の芦屋レディースチャレカはといえば、3日間でインコース12戦6勝。妥当というのか、本命党も穴党もアツくなれるいい塩梅の配分だった。
ここは大村水面だからしてその程度の偏りがあっても不思議ではないのだが、「年々女子戦のインコースが強くなっている」という風潮が見事に反映された3日間だった。今節の進入のもつれと言えば、ピット離れの良し悪しでの入れ替わりを除けば6号艇の日高逸子が4コースに入ったくらいか。枠なり3対3でインコースはほぼほぼ楽イン起こし、スタート特訓もしっかり行われるからスリットでの凹凸が少ない。結果、インの選手があっさり逃げきり、道中の焦点は2着争いに絞られる(「抜き」も1度だけあったが)。ふと気づけば12戦11勝。まあ、この風潮がどうだとか、これで女子がSGレベルで通用するようになるのかという込み入った話は、何かと慌ただしいシリーズなので書かない(笑)。ただ、多くのファンが抱いているであろう「女子戦は荒れる」という先入観は、そろそろ脳内からスパっと切り捨てたほうが良さそうだな。明日以降も、「女子戦は堅い」と肝に銘じて舟券を買うとしよう(こう書いておくと、翌日は大概逆のパターンになることが多く、実はそれに期待しているのですw)。
で、今日も4戦4勝、インが当たり前のように勝ち続けたわけだが、11Rは戦前から興味深々だった。1号艇が長嶋万記で2号艇が遠藤エミ。パワー的にも節間のリズム的にも、「V候補の双璧」と呼ぶべきふたりの直接対決。万記が逃げきるか、エミが差しきるか……私は舟券を買わずに実戦を愉しむことにした。こういう場合は、枠なり3対3でスリットも横一線になってくれたほうがいい(笑)。本番は、スタートで凹んだ3コースの平高奈菜が切り返し気味に内に寄り、その引き波で2コース遠藤の艇が大きくバウンドした。万記の一人旅。両者のデッドヒートは拝めなかったが、猛追して2着を獲りきったエミのパワーも凄まじかった。結果、予選トップはエミで2位が万記。このままふたりがファイナルまで1・2位を独占すれば、おそらく一発逆転組の夢は絶たれるだろう。たとえファイナル3号艇あたりで乗ったとしても。明日以降、このトップ2を脅かすファイト&アタックに期待したい。
で、この11Rにはもうひとつの「直接対決」があった。賞金ランク13位の魚谷香織VS同14位の日高逸子。結果は日高3着、香織5着。これを受けて、ふたりのクイクラ状況はさらに緊迫した。香織が予選6位、日高が7位。ファイナルの境界線を挟んで睨み合う図式である。この順位がどう変わってゆくか、明日以降も大いに注目するとしよう。(photos/シギー中尾、text/畠山)