10R
角ひとみには痺れた! スタート展示で敢然とインを奪い、本番では4コースまでだったものの前付け敢行。さらに道中は先頭争いを演じたのだから、このレースをエキサイティングにした文句なしのMVPだ! レース後は仲間たちが笑顔で角を囲み、健闘を称えている。角は苦笑気味ながらも笑みを浮かべて、惜しかった~と敗戦を残念がっていた。地元の意地、見せてもらいました!
勝ったのは、昨年の女子MVP! 松本晶恵が激戦を制して、クイーンズクライマックスに次ぐ女子ビッグ優出を決めた。2日目にクランクシャフト交換を含む大整備をし、これで足が完全に上向きとなったとのこと。足さえくれば、問答無用の最優秀女子である。戦前、「最低でも優出を目標にしたい」と語っていた松本は、きっちり仕上げてひとつのノルマをクリアした。レース後は、展示準備を終えた長嶋万記に祝福されて笑顔! この時点では、優勝戦をともに戦う相手とお互い認識していたはずだが……。
細川裕子は2着。本番はインを主張したものの、差されて追いかけて2周1マーク先マイしてまた差されて、2番手を追いかけられて、とハードなレースとなっている。すんなり逃げられなかった原因は「ペラ調整失敗で、今節いちばんダメだった」こと。自分のターンがまったくできなかったそうだ。しかし、スリットのぞかれて伸び返したあたりや、2周目ホームで前に追いついたあたりを見ると、モーターパワーはなかなかのもの。「今回に関しては、お客さんのおかげで出られたので、そのことを重視してレースしたい」と会見でも語っており、投票したファンから期待されるのは当然、4カドからの一撃、だと思うぞ。
11R
予選トップの山川美由紀が危なげない先マイ。その瞬間、明日のポールポジションが決まった。完勝と言っていいだろう。実は進入で水をもらっていて、けっこうテンパってたそうだが、それでいて1マークはしっかりと逃走。やはりくぐってきた修羅場の数が違う。明日も同じことをすればいいだけだから、優勝候補の最右翼は当然この人ということになる。会見で「11号機の人とは足がぜんぜん違うと思う」と苦笑いしていたのだが、その11号機はいないわけだし……。
それにしても、香川素子はF2でよくぞ優勝戦まで辿り着いたと思う。90日間の休みがまだまるまる残っているのに。足も「普通でいいとは言えない。伸びは弱い」と自己評価しているパワーなのに。試運転では勝つ相手がほぼいないそうだ(ただしレースに行くと悪くない、とも)。明日は6号艇。スタートは当然慎重になるだろうし、コースは遠くなりそうだが、その気楽さですいっと差して上位、なんて場面はないだろうか。握り屋がわりと揃った優勝戦だけに、展開が向いてもおかしくない。
惜しかったのは水野望美。いったんは香川を逆転して2番手を走ったものの、2周2マークで再逆転されてしまった。やはり香川に一日の長あり、だったか。レース後はとっても悔しがってるだろうなあ、と想像していたら、先輩たちに健闘を称えられて笑顔が見えていた。控室に引き上げる際には、寺田千恵にクレーム(?)つけられて大笑い。テラッチ、若い子をいじめちゃいけません(笑)。いやいや、これがテラッチ流の称賛と慰め方なのだろう。水野もきっと、これでひとつの手応えを得たはずだ。
12R
まさか、長嶋万記が優出を逃すとは……。しかも、スリットから海野ゆかりに出ていかれて、まくられてしまうとは。長嶋自身、逃げ切りを信じて疑わなかったはずだ。レース前もいい気合の表情を見せてもいた。しかし、勝負というものはわからない。レース後の長嶋はひたすら沈痛。表情はカタく、簡単に声をかけられない雰囲気があった。
まくりを直に浴びながら、2番手に残した今井美亜は見事だった。長嶋11号機に終われる展開となり、追い詰められる場面もあったがしのぎ切って優出。レース後は、優勝戦をともに戦う香川素子に祝福されて、笑顔を見せていた。今井は初代バトルトーナメント覇者。もう一丁、初代覇者の称号を手に入れてもまったくおかしくないぞ。
11号機を撃破したのは地元の海野ゆかりだ! 近くでレースを見ていた地元の関係者が、小さく歓喜の声をあげる。もちろん、角ひとみも嬉しそうに戻ってきた海野に駆け寄る。明日真っ向勝負を演じるであろう山川美由紀も、ハイタッチで祝福していた。あ、田口節子もハイタッチしようと右手を上げてるぞ。海野さん、気づいてないようですけど(笑)。
今日、海野は思い切りペラを叩き替えたそうだ。宮島のメーカー機である54号機、まったく違う形に叩くのは勇気がいる。海野は腹をくくって叩いた。そして、行き足から伸びが来た! それもあって「今日は気合入れていきました」と、必勝の決意で準優に臨んだ。足も仕上がったが、メンタルも仕上がった! 「1号艇に山川さんなので、胸を借りて思い切りいきたい」。明日も心技体&機を完全に仕上げて、地元の最高の大舞台に臨む。(黒須田)
12R6号艇の樋口由加里は、10R発売中にリードバルブを外して調整、さらにペラ調整もして、展示ピットにつけるのは最後の最後。係留所から上がってくる樋口を、遠藤エミと深尾巴恵が出迎えて激励!
11Rで敗れた三浦永理は、中谷朋子と肩を並べて控室へと引き上げる。途中、三浦が中谷に話しかけると、中谷は爆笑! 何を話したんでしょうか。
松本晶恵は、何度も何度も報道陣に囲まれていました。最後は遠藤エミに捕まってました(笑)。
川野芽唯はレース中に腕を打った様子。でもこの笑顔だから、明日は今日の雪辱を果たすため奮闘してくれるでしょう!