BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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断然エース58号機は野長瀬!!

 

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 毎年毎年、同じことを書いている気がするが、今年のマスターズの抽選会も同窓会ムードぷんぷん。地区も年齢もほとんど無関係に、あちこちで雑談や近況報告を交わしている。顔に幾重もの年輪を刻み込んだ猛者たちや女傑が見せる、ほんわか和やかな笑顔。このギャップが妙に楽しい。今年2月のレディースオールスターが真逆(ピッチピチの女の子たちが一様にピリリ緊張した面持ち)だったから、さらにそのウルトラ濃いい面々の笑顔が際立って感じられた。

 そんな塩梅だからして、ガラポンに注目する選手はほとんどいない。津のモーターは「あるいは怪物級?」と噂される58号機が君臨しているのだが、選手班長・森竜也が次々と呼びあげる数字にも、耳を傾ける選手は指折り数える程度だった。まあ、歴戦の大ベテランの宴だからして、「多少の低調機なら自力で底上げできる」という自信の顕われなのかも?

 

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 選手たちより、むしろ私も含めた報道陣のほうが「58」という数字を今か今かと待ち構えていたのだが、それがなかなか飛び出さない。残り10人ほどになって野長瀬正孝がガラポン機を回し終えたとき、選手班長の行動が一変した。その数字をすぐには口に出さず、まずは野長瀬に向かって小さな玉をグイッと近づけた。水戸黄門の印籠のように。そして、にんまり笑い、ほぼ無声音に近いような小声で「ごじゅうはち」と伝えたのだ。瞬間、報道陣がドッと沸いて一斉にフラッシュが焚かれた。その光に釣られるように、選手たちも「出た?」「引いた?」「おおっ」などと口々に叫ぶ。で、あちこちから「ごじゅうはち?」という声も漏れた。やはり、多くの選手たちの脳内にも「58」はインプットされていたし、地元の森班長の言動がそのお宝ぶりを証明しているも言えるだろう。

 

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 ただ、数字的に58号機は確かに抜けている(2連率58%、2位の50号機は47%)のだが、戸田44号機ほどの迫力はないと私は思っている。全部が強めのバランスタイプの32号機、回転が合うと行き足~伸びが強烈に仕上がる70号機あたりにも、十分に“下剋上”のチャンスが潜んでいる。

 32号機を引き当てたのは大嶋一也で、これはどのレースでも普通に人気を背負うだろう。穴党が是非にも狙いたいのは、70号機の渡邉睦広だ。GIでは人気の盲点になりやすそうだし、このムツさん(実際の読みは「ノブヒロ」です!)、年々強くなっている気がするのである。70号機自体の数字も37%台と地味めで、外枠でアタマなら万舟が見込めるだろう。前検や展示タイムが良ければ、初日から狙ってみたい。(TEXT/畠山、PHOTOS/シギー中尾)

 

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津の注目モーター

◎58号機…野長瀬正孝

○32号機…大嶋一也

▲70号機…渡邉睦広

△14号機…江口晃生

△18号機…山一鉄也

△71号機…谷川里江

※シルシはBB誌での私の見立てです。