BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――まだ穏やかなピット

 

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 選手たちが試運転、装着作業などで忙しく立ち回るなか、目についたのは三井所尊春がプロペラを叩いていたことだ。着水する前から、プロペラ調整。それを見た時点で期待が高まる。最近の三井所は伸びる。多摩川周年を3カドから優勝したのがその代表例で、それなりのモーターを引いたらどこでも伸びが来るという印象がある。プロペラ調整を掴んだのだとすれば、早くもその形に叩いたのだろうと想像できる。つまり、今節も伸びるかもしれない、ということだ。進入で動いてレースを活性化させる存在は魅力的だが、伸びで1マークを制圧しようという存在もボートレースをよりエキサイティングにする。

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1班のタイム測定が終わった頃にいったん調整を切り上げた三井所は、ペラを装着し、陸の上でモーターを始動させた。ブルン、という音がピット内に響き、続いて排気が白い煙となってピットの一部に大量に漂った。それを見ていた新田雄史がからかう。

「完全にヤンキーやん」

 ダハハ、水の上ならともかく、陸の上でブンブンと爆音を轟かせるわけですからね。苦笑いで応える三井所。新田はさらに三井所に歩み寄ってイジり、三井所の笑みはどんどんと深くなるのだった。

 新田はその後も、岡崎恭裕やら篠崎元志に寄っていっては、ニコニコと話しかけていた。余裕あり、なんですかね。

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 そうそう、今日、新田と一緒にレース場入りしたのは山下友貴。不思議な光景とも見えるが、明日の出走表にはしっかり「山下友貴 支部:三重」とある。松尾拓と結婚して、三重支部に移籍したわけだ。もちろん静岡勢との縁が途切れるわけではないが、心機一転の山下の走りにはぜひ注目してみたい。

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 新田の様子もそうなのだが、スーパー勝負駆けだからといって、前検日からピリピリしているという雰囲気は、正直感じない。まあ、そんなものだろう。明日にはきっと空気は引き締まる。装着場には守田俊介、辻栄蔵、石渡鉄兵の74期勢が輪を作る風景が。守田が身振り手振りを加えつつおどけ、辻がガハハと大爆笑、穏やかに笑みを作る石渡、とまさにキャラ通りの様子を見せながら、会話を交わしているのだった。この3人はそれぞれに仲良しだが、3人が一緒に収まる光景というのは、実は珍しいというか、あまり見た記憶がない。3人ともに勝負駆けとなるわけだが、ひとまず今日はリラックスして同期の絆を楽しんでいた。

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 女子の同期の絡みでは、遠藤エミと樋口由加里が話す姿を見かけている。どうやら足合わせをしたようで、その情報交換といったところか。まあ、同期だからうんぬん、という絡みでもないですかね。ドリーム選手の記者会見では、遠藤が「樋口さんより伸びも出足も良かった」と好感触を語っている(松本晶恵も樋口と足合わせをして、「出足は樋口さんより良かった」と)。そのあたりも含めての会話だったのだろう。

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 ドリーム戦の会見といえば、ポジティブな言葉を多く聞くことになった。まず、1号艇の峰竜太はとにかくゴキゲン。早くもテンションが上がっており、「ありがとうございました!」と勝手に会見を切り上げようとしたのはまだいいのだが、立ち上がってガッツポーズまで見せたりしている。前検でガッツポーズ!? ちょっと落ち着いたほうがいいんじゃないかと心配になったりして(笑)。

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 桐生順平、白井英治、寺田祥も好感触を口にしており、さらに茅原悠紀は強い口調ではなかったものの「良かったです」と言い切っている。桐生と茅原は「このままレースに行けそう」とも語っており、彼らのスーパーターンを引き出せる足に、前検からすでにあるということのようだ。

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 ドリームで唯一、景気のよいコメントがなかったのが井口佳典。「回転になってない」というコメントはやや難解だが、ようするに井口が好む、というか、調整させる回転数にまるで合っていないということだろう。つまり、このままではレースにはなりそうもない、ということになる。明日の井口はドリームまで一日かけて、調整を施していくことになるだろう。忙しい井口を見るのは必至だ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)