BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――勝負駆けの朝の6人&6人

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 いざ、勝負駆け。ピットはさぞかしピリピリしてるだろう……と思いきや、そんな雰囲気は感じない。まあ、優勝戦の日の序盤の時間帯は比較的こんなものであって、ピットで目につくのは一般戦組が多く、優勝戦組はゆったりとしていることが多い。特に、優勝戦はナイターだから、本格的な調整はずっと後のことになる。装着場のど真ん中では、毒島誠、桐生順平、新田雄史らニュージェネ勢が談笑しており、桐生がモーターをいじってはいるものの、3人ともがリラックスしている様子である。桐生もひとまず調整の準備、といった感じだった。

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 と言いつつ、もう一人のニュージェネファイナリストの篠崎仁志は、1R展示前にはギアケースの調整に励んでいた。表情は柔らかいが、目標であるSG優勝を実現させるためには、もう一足欲しいところ。優勝戦組で最も早い動き出しは、これだったと言っていいだろう。仁志は2R発売中にはボートを着水し、試運転も行なっている。その手応えをもとに、一日たっぷりとパワーアップをはかる作業に取り組むことだろう。

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 SG初優出の山田康二は、やはりリラックスしてこの日を過ごせているようだった。というか、ほとんど笑顔しか見ていないと言っていい。選手仲間から声をかけられて笑顔、報道陣から声をかけられて笑顔。それが緊張を紛らすために無理やり作ったものにはまるで見えず、初めて味わうこの日を楽しんでいるようですらある。1Rのエンジン吊り後、前田将太、遠藤エミと談笑する様子も。102期の同期生たちだ。前田は残念ながらグランプリ行きを逃したが、山田に託す思いはあるはず。レディースのファイナルを戦う遠藤も、同期生の快挙に声援を送りたいところだろう。

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 優勝戦のなかでは実績が図抜けている井口佳典も、調整らしい調整は行なっていない。表情は鋭く、大一番モードの井口に早くも切り替わっているように見える。すでに闘魂に点火されたようだ。気合のようなものを感じさせたのは、井口のみと言っていい。もちろんこれが、井口の優勝戦の日のいつもの過ごし方だ。

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 女子のほうでは、まず中村桃佳が本体整備。もうワンパンチつけて、金星を狙いたいところ。長嶋万記は1R発売中に試運転をしていて、いったん切り上げたあとは選手会の職員の方と話し込んだりしていた。早くから始動はしているが、焦りのようなものは感じられない。海野ゆかりは1R発売中に着水して試運転へ。しかし1R発売中の間にボートを陸に上げており、試運転というよりは今日の感触を確認したということのようだ。

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 細川裕子も試運転に出ている。昨日の記事を書いているときにはすっかり頭から飛んでいたのだが、そう、三井所尊春とは同期でしたね。応援して当然の間柄だ。今節は昨日まで絡みを見ていなかったこともあって、うっかりしていた。ともかく、三井所のアドバイスを受けて、どんな足になったのか、足合わせやスタート練習が楽しみだ。

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 遠藤エミも、1R展示前からボートを係留所につけている。朝の特訓のあと、陸に上げなかったのだ。1R展示前の時点で、男女とも優勝戦組のボートはほぼ装着場にあったわけだが、遠藤のボートのみが水面にあったのだった。遠藤自身の姿はペラ室に。優勝戦1号艇ではあるが、確勝を期して、調整と試運転を繰り返す腹積もりだろう。

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 なお、日高逸子はエンジン吊りでしか姿を見なかった。始動はもう少し先のことになりそうだった。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)