BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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びわこレディースオールスターTOPICS 初日

快速三人娘を狙え!

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 昨日、前検タイム2位の坂咲友理について「機力不問でいつでもどこでも伸びる」と記したが、今日のバック直線の伸び足も強烈の一語。7Rの2コースから、逃げきり圧勝と思えた平田さやかをぐんぐん追い上げて2マークまでに舳先を貫いてしまった。結果的に差し返されての2着止まりも、ことストレート足に関しては今日イチのド迫力パワーだった。展示タイムの6秒80も同レースの断然トップ。

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「今節はこの快速娘から目が離せないなぁ、なんでこんなに伸び型に仕上がるのかなぁ」などと思いつつ直近6カ月の展示タイム順位を調べてみたらば、全女子レーサーの中で15位。やはり速い。で、ついでにその前後のランキングも眺めてみると、坂よりもさらに上位の2選手が目に飛び込んだ。

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★9位・薮内瑞希…2.13
★12位・瀧川千依…2.20
★15位・坂咲友理…2.28
 うーーん、上には上が……改めて今日のレースを振り返ると6Rの瀧川が「6秒87でギリギリの展示トップ時計→展開を突いて1着、万舟決着」と活躍している。

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一方、1Rの薮内の展示タイムは6秒96(6人中4位)と振るわず、実戦もズルズル後退して6着に敗れ去った。まあ、現状の実力が実力だけに「展示トップ=好走」とは限らない三人娘ではあるのだが、明日以降も展示タイムはしっかりチェックしておきたい。ちなみにBB誌の4月号には「(坂咲友理は)展示1・2番時計のときは2連率27%、3番時計以下のときは2連率16%」というデータも掲載されており、舟券の参考にしていただきたい。

イビツな流れ

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 初日の1号艇成績は、ドリーム戦の遠藤エミ(機力的にやや不安の残る逃げきりではあった)を含めて5勝2着1回&着外6回。勝つかぶっ飛ぶか、両極端な1日だった。配当も3ケタの大本命が3回&400倍台2発含めて万舟4本とこれまた両極端。「1が逃げればガッチガチ、飛べば万舟まで跳ね上がる」という近代ボートレースらしい1日とも言えるだろう。
 1号艇の5勝は妥当なラインか。去年の宮島開催も1号艇に強豪を据えた最終日以外は、すべて5~7勝。明日以降も「半分がイン逃げで残り半分はイン飛び」になる可能性は高い。1号艇8~10勝が当たり前になったSGに比べれば穴の期待値も高いわけで、インが飛びそうなレースをしっかり見極めたいと思う。

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 それから、インの勝ち負けとは無関係にアクシデントの多い1日でもあった。6Rの佐々木裕美のフライングを皮切りに、8Rは地元の香川素子も痛恨の勇み足。9Rでは日高逸子がまさかの妨害失格でV権利を失い(接触して転覆した加藤綾は負傷帰郷)、11Rの浜田亜理沙は選手責任の転覆失格……強いホーム追い風のなせる業か、A級の有力どころが次々とV戦線から消滅、または後退を余儀なくされた。
 それからそれから、アクシデントではないけど山川美由紀&海野ゆかりの去年のワンツーコンビもパワー的に「良くて中堅、おそらく劣勢」というムードでもあったな。これらの流れは遠藤エミ34号機への強烈な追い風なのか、はたまた下剋上の戦国模様と見るべきか。ほぼほぼ前者という気もするのだが、後者の空気を感じさせるレースも少なくなかった。114期以降の活躍だ。

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 前出・瀧川千依(116期)の鮮やかな4コース「抜き」にはじまり、8Rの倉持莉々(114期)も勝ち名乗り。香川のFによる「恵まれ」ではあったが、しっかり2コース差しのハンドルが入っていればこその勝利。最近の莉々はまさに絶好調で、ハンドルワークの上達のみならずパワー出しでも何かしらの手応えを掴んだ気がしてならない。同期の中村桃佳に触発され続け「追いつき追い越せ」を心に秘めていたであろう莉々。高校時代から水球JAPANのエースに君臨し続けた天性の“ウォーターバトルセンス”が、今シリーズで一気に開花するかも??

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 11Rの116期・大山千広も見事な勝ちっぷりだった。5コースのブイ差しから最内をグイグイ伸びて2マーク先制。マイシロの少ないターンではあったが、握り過ぎず落とし過ぎずの好旋回で宇野弥生、山川らを一気に突き放し非凡なセンスを見せつけた。こちらはやまと学校(現ボートレーサー養成所)の頃から超大物と呼ばれたエリートで、「開花」と言うより順調に成長している証という感じの1勝ではあったな。有力どころの先輩たちが脱落する流れの中、このデビュー4年に満たないルーキー軍団がどれだけ奮闘するか、どれだけ絶対女王を脅かすことができるか。ドリーム戦で惨敗した桃佳も含めて、明日以降も大いに注目するとしよう。(text/畠山、photos/シギー中尾)