BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――機嫌

f:id:boatrace-g-report:20180521161022j:plain

 2年ぶりに尼崎のピットに入ったら、ボートがみな6号艇になっているのであった。
 最近は各レース場のボートのデザインのオリジナル度がどんどん増していく傾向にあるわけだが、ここまで緑・緑・緑・緑……はそうはない。で、よく見ると6号艇ではないんですね。当たり前か。尼崎のマスコットであるセンプルくんがデザインされているボートなのだ。センプルくんのモチーフはカエル。水面をピョンピョン跳ねるイメージか? 旋回は跳ねないほうがいいわけだが。ともかく、場のマスコットをここまでフィーチャーしたボートは、尼崎が初めてではないだろうか。レースで疾走する6匹のセンプルくんに注目!

f:id:boatrace-g-report:20180521161052j:plain

 峰竜太の様子がおかしい。表情が峰らしくないというか、笑顔がなく、ただただ渋いのだ。なにより、会見の時の口調が力弱い。ちゃんと考えて話してるのかと疑いたくなるくらい(笑)、好感触時の峰は次から次へと明るく言葉を重ねていくのに、今日はポジティブな雰囲気はまるでなく、言葉も短かった。こんなに“泣き”の言葉を連ねる峰竜太は珍しい。そう伝えると峰は「ヤバいかもしれないっす」。多少、分が悪いくらいなら強気のコメントで自分を鼓舞しようとする峰が、そう言うのだから、明日のドリームに暗雲!? 1日かけてどこまで立て直すのか、ドリームの気配には注目したい。

f:id:boatrace-g-report:20180521161114j:plain

 反対に松井繁は、「いい」という言葉はなかったが、比較的好感触かも。松井は尼崎を得意水面としており、SGやGⅠのタイトルを数多く獲っているが、それを踏まえて会見では「尼崎では実績がありますが」との問いが投げかけられた。松井はこう答えた。
「どこででも、ね」
 そりゃそうだ(笑)。松井は現役選手のなかで最も実績を残している選手。尼崎に限らず、全国のレース場で活躍したからこそ、王者の今がある。もちろん松井も、質問の意図は理解していて、先の言葉を口にしたあと、ニコリと笑ってうんうんうんと頷いた。松井にしか口にできない“ジョーク”だよなあ。それを察した報道陣も笑い声をあげる。いずれにしても、峰とは対照的にゴキゲンだった、前検の王者である。

f:id:boatrace-g-report:20180521161143j:plain

 ほかに、いい表情だったのは前田将太。選手の控室出入口近くで永島知洋氏と話をしていたら、出入口のドアを開けて前田が姿をあらわした。すでに顔がニヤけていたが、さらにおどけたように「悪ないっ!」と2回繰り返したのだ。この「悪ない(ワルナイ、と読みます)」はニュアンス的にはむしろ「いい」の部類であって、好感触の証しなのだ。昨日まで走ったびわこMB大賞では未勝利だったが、今節はもっと上を狙えるかも!?

f:id:boatrace-g-report:20180521161207j:plain

f:id:boatrace-g-report:20180521161228j:plain

 あとは山崎智也と毒島誠が何度か大声をあげているのを見た、というか聞いた。楽しそうに会話して、最後に大笑いというパターン。お互いが好感触だった、というより、仲良し群馬コンビという雰囲気ではあるが、わりとピリピリしている感じの選手も多く見られたなか、その快活な感じは非常に目立っていた。特に智也はこのところピリッとしないが、ここらで復調への道筋をしっかりつけたいところだ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)