BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――開戦!

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 非常に爽快な空気の中で、オールスターは始まった。オープニングを制したのは平本真之。前回の尼崎オールスター(16年)の最終日最終レースを逃げ切った平本が、今度は初日初っ端のレースを逃げ切ったわけだ。あのときとはレース後の様子はもちろん違うわけだが、空模様にも負けない爽やかな表情でピットに戻ってきている。

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 2着は羽野直也。6号艇で2着だから、これは悪くないスタートだ。今日はもう1走、4号艇。初日を外枠から始める一節で、大外枠を乗り切ったのは大きい。といっても、まるで納得しているようなところが見えなかった羽野。大物だ。1着が難しい枠番、コースではあるとわかってはいたはずだが、2着で良しとしていないのなら、その心意気や良しと言っておこう。

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 対照的に、「やっちまった」てな顔で陸に上がってきたのが濱野谷憲吾だ。濱野谷は昨日、54.3kgで尼崎入り。そして今朝は52.8kg。一晩で1.5kgも減量! ゆうべは何も食わなかったんだろうか。そしてサウナにこもったんだろうか。ともかく、これは気合の発露、である。それが実らなかったのは残念無念。悔しい一番であったのは間違いない。

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 2Rは今村豊が差し切り快勝。凱旋した今村は、出迎えた白井英治と寺田祥に向かって、にゃんこスター! 開会式でもやってましたが(まさかの白井英治も!)、マイブームなんでしょうかね。とにかく、ゴキゲンだ。

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 その今村に「お前、出てるやろ!」と言われていたのが2着の下條雄太郎。今村に迫る場面もあって、たしかにいい足色と見えていた。今村にわーわーとまくし立てられて、豪快に笑う下條。2着とはいえ、こちらもなかなかにゴキゲンだ。下條自身、好感触を得ていたものと思われる。

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 といった感じで幕を開けたオールスターだが、レース間に整備室を覗くと、なかなか珍しい光景にお目にかかれた。峰竜太の本体整備だ。昨日、ネガティブな峰の様子をお伝えしたが、その打開策に峰は本体を割ることを選んだ。調整はほとんどプロペラであり、またペラ調整巧者としても知られる峰が、本体に手を入れた。それほど重い症状なのだ。これが奏功するかどうか。なお、その隣では小野生奈も本体整備をしていた。

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 さて、今日は故・冨好和幸さんのお誕生日。冨好さんと非常に親しくしていたのが森高一真だ。BOATBoyと冨好さんをつないでくれたのも森高。誕生日に尼崎を走る、というのはなかなかないことだろう。それを伝えると、森高は感慨深そうに「そうかあ」と呟いた。そして「頑張らなあかんな」とニッコリ笑った。9Rは3号艇。まさかインを獲りにいくとは思わないが(笑)、冨好さんに捧げる気合こもったレースを期待しよう。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)