BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――⑤-①

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 3日目序盤は⑤-①連発! イン優勢の潮目が変わった? いやいや、茅原悠紀、長田頼宗のまくり差しは実に見事であった。
 レース後の表情は二人とも明るい。というより、出迎えた仲間も陽気にヒーローと向き合った。茅原を出迎えたのは四国勢。同県の吉田拡郎が2R出走なので、茅原を取り囲んだのは中四国の関係性から田村隆信や森高一真らということになる(山口勢は広島の前本泰和のお出迎えに)。先輩たちの祝福を受けて、茅原の目がどんどんと細くなる。茅原としても会心の一撃だろうが、周囲の朗らかさにテンションはさらに上がっていった様子であった。

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 長田は当然、濱野谷憲吾、石渡鉄兵と笑い合った。初戦6着のあとの連勝。初っ端のつまずきを一気に巻き返すピンピンは、先輩の笑顔とともに気分を高める。ただ長田はいつまでも喜びには浸らない。装着場いっぱいに広がってエンジン吊りの作業をしている2R出走の他5人のもとをいちいち回って、頭を下げ続けていた。江口晃生はかなり遠いところにいたのに、エンジン吊りが終わる前には挨拶せねば、とばかりに駆け寄っていく。礼儀も決して忘れることない、長田なのであった。

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 1号艇をモノにできなかった小野生奈と江口晃生は、やはり悔しそうな表情を見せている。小野はカタい顔つきで控室に戻っていっており、その顔は立派なSG戦士なのであった。小野は着替えを終えると速攻でピットに戻ってきている。そのとき、試運転に出るために篠崎仁志がボートリフトの上で待機していた。それを見つけると、小野は小走りで仁志の前に立った。仁志は身振りを交えて、小野に語り掛ける。レースについてアドバイスを送っているのは明らかだ。その表情は優しく、小野もほぼ直立不動で仁志に頷き返していた。こうしたやり取りも、小野をますますスケールアップさせていくのだろう。

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 江口は、目から力が失せてしまっていた。目尻が普段よりもさらに下がっているようにも見える。2日目まで6着2本で、ここは巻き返しの絶好のチャンスだった。2着でもポイントアップには違いないが、やはりイン戦を落とすというのは選手にとってはただ事ではないわけだ。この敗戦をバネにしての、さらに激しい前付けが6Rでは見られるか。

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 さてさて、1R発売中にペラ調整をしていた白井英治。これは昨日に比べると、やや早い動き出しである。昨日は本格始動が2R終了後だったのだ。登場は昨日も今日も5R。やはり昨日のレースで何かつかんだものがあったのか。このペラ叩きの成果に注目したい。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)