BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――爽快な朝

f:id:boatrace-g-report:20180622115624j:plain

 今節はじめて朝から晴れ渡ったせいか、ピットの空気が非常にゆったりと、また爽やかに感じられる。装着場にもほとんど選手の姿はなく、1R発売中に森高一真が装着作業を始めたのが目立ったくらいだった。その森高も、丁寧にゆったりゆったりと作業を進めていて、それがまた緩やかな空気に拍車をかける。なかなか気持ちのいい朝だ。

f:id:boatrace-g-report:20180622115651j:plain

 服部幸男は水面際の手すりにもたれて、物思いにふけるように前方を眺めていた。ほんとにこの人、こうした仕草に雰囲気がある。水面にはスタンドから見て右手にそびえ立つ太華山の緑が反射している。水面のほうに目をやれば、その太華山が迫力をもって眼前に迫っている。空は薄い水色。涼やかな海風も漂ってきて、服部も気持ちよさそうに笑みを浮かべていた。サマになるなあ。

f:id:boatrace-g-report:20180622115720j:plain

 試運転を終えた菊地孝平が上がってくると「どうだ?」と一声かけて、肩を並べて歩き出す。菊地は感触が上向いていることを口にし、服部は満足げにうなずいていた。後輩の足色はやはり気になる。菊地と別れると白井英治と立ち話。白井の言葉に服部は何度も笑い、終始にこやかに聞き入っていた。いやあ、爽快な朝だ!

f:id:boatrace-g-report:20180622115755j:plain

 そんな日に、今村豊が57歳になりました。ハッピーバースデー! 地元SGの開催中に誕生日を迎えるというのはなかなかないことだ。今朝真っ先に顔を合わせたのが今村だったので、お誕生日おめでとうございます、と声をかけた。ミスターにそんな言葉をかけられるのは、実に光栄であります。今村は、特に表情を変えることなく、あ、どうもと一言。来年も、開催場はどこかわからないけど、グラチャン中にそれを言えることを願っております。
 しかしながら、2Rは3着。これで予選突破がかなり厳しくなってしまった。さすがのミスターも、レース後は顔をしかめていた。後半は1号艇。バースデーウィンを果たして、一縷の望みに賭けましょう!

f:id:boatrace-g-report:20180622115824j:plain

 その2Rを勝ったのは原田幸哉。レース後は爽快な笑顔で、出迎えに応えている。エース機を引きながらも不本意な成績に終わったクラシックとオールスター。幸哉からはネガティブな言葉を聞いた2節だった。それだけに、この会心の笑顔は久々に見たような気がする。これで得点率は6・00となった。1着勝負駆け成功! 準優でもそのスマイルを見せろ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)