BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――勝者の微笑み

 

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 魚谷智之が3連勝! 昨年の若松メモリアルでの寺田祥を思い出させる快進撃を繰り広げている。勝利者インタビューのブースにやってきた魚谷の表情はやはり明るい。浮かれた様子こそないけれども、その柔らかな顔つきには気分の良さが貼り付いている。
 今日も今日とて、インタビューからピットに戻った魚谷は、すぐに作業に取り掛かっていたようだった。予想会を終えてピットに駆けつけると、さっきブースで見た顔がすぐに見つかる。まあ、11Rでの勝利ということで、モーター格納作業を急がねばならないという事情もあっての素早い動きではあると思う。それでも、その緩めなさを見るだに、魚谷智之という男の芯を感じずにはいられない。

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 今日は峰竜太も連勝。こちらはまあ、魚谷とは対照的に、笑顔満開でブースにやってくる。なんたって、オールスターファン投票1位男である。ピットからブースへの道すがら、多くのファンに声をかけられている。「ハイタッチを30人くらいとやってきましたよ~」とニッコニコ。特に、強烈な4コース差しを披露した6R後には、その会心のレースぶりも相まって、ゴキゲンな顔を見せていた。
 峰も6R後はすぐにペラ調整に取り掛かっていたようだ。12R1号艇、新田雄史の前付けを想定して深イン仕様の調整を施していたとのこと。それもあって、やはり緩めることなく作業に入った。ファンに見せる太陽のような笑顔の向こうには、ピットで見せる真摯な姿勢があるのである。

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 10Rを逃げ切った石野貴之もまた、凛々しい微笑とともにあらわれている。昨日今日と予想会でのワタシの成績は散々で、この10Rはなんとか的中にこぎつけた。配当が3ケタというのが威張れないところではあるが、石野は僕のやっとこさの的中を知って、ニッコリと笑ってくれたのだった。思わず、石野に深々と頭を下げてしまった。それを見て石野はおかしそうに笑う。ともかく的中できたのは、石野様のイン逃げのおかげでございます。明日からもよろしくお願いします。
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 予想会の合間にピットにぶっ飛んでいくと、張り付いている時とはまた違った感覚も芽生えたりするもの。特に、つい先ほど勝利の余韻を漂わせて顔を合わせた選手の素早い動きには、目を奪われたものだ。また、整備室で本体と向き合う顔ぶれが、ころころ変わるのも新鮮だった。張り付いていれば、何度も整備の様子を目にするわけだが、たとえば3レースくらい間隔をあけると、さっき馬場貴也がいたテーブルに、三井所尊春がいて不思議な感覚になる。

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 さよう、今節は部品交換を複数回している馬場と三井所は今日もレース後に整備をしていた。すでに別記事で書いたが、今節の整備室はエアコンが不調。しかし、そんなことはパワーアップへの渇望の前には関係ないのである。三井所は今日の前半にピストンリング1本交換で登場し、後半には2本交換で登場。そしてさらにまた、本体を割っているのである。さあ、明日の伸びはどうだ。その気配を確認するのが本当に楽しみである。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)