BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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桐生レディチャンTOPICS 3日目

気づいてみれば

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 35度を超える今夏の猛暑は、エンジンの体調をも狂わせるのか。昨日の当欄でも書いたが、今節の銘柄モーターたちは日替わりで良かったり悪かったり、昼と夜で激変したり、妙に不安定な気がしてならない。
 そんな中、30%前後の非力なモーターを少しずつ着実にパワーアップさせている選手たちがいる。筆頭は小野生奈=50号機(30%)。正直、前検の気配はワーストレベルで「この足では連覇は難しいだろう」とさえ思ったものだ。が、もちろんこの努力家の辞書に「諦め」の文字はない。昨日はキャリアボデー、今日の前半はリング1本、さらに後半はピストン②・リング④・シリンダケースのいわゆる「セット交換」で凡機に活を入れ続けた。で、初日からの成績は43221着。明日の1号艇はおそらく逃げきって、見事なまでの右肩上がりの勝率グラフを描くことだろう。現状の私の見立てはそれでも「直線が上位の下、出足系統は中堅ど真ん中」あたり。準優~優勝戦、そして20代での連覇へ、さらなる上積みが必要だとは思っている。

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 2連率28%の11号機も、その数字をはるかに超越する気配を漂わせている。乗り手は山川美由紀。こちらは初日から「あれ、けっこう行き足がいいな」というムードがあり、選手の実力も込みでピンピン連勝発進。結果が出ているだけに大きな整備はないかと思いきや、2日目にピストン2個を換えてきた。うーん、相変わらずの貪欲さ。この讃岐の女傑には「とりあえず、このままで」などという妥協はありえないのだな。3日間を終えての暫定トップは、流石と言うしかない。明日の山川は6号艇&3号艇の2回走。もちろん前半は待機行動から貪欲に動く可能性もあるし、後半は①生奈との直接対決で果敢なスリット攻撃を繰り出すことだろう。暫定2位の寺田千恵も含めて「気づいてみれば、やっぱこの面々か」という3日間ではあった。

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 一方、今日は20代半ばの若手レーサーも奮闘した。高田ひかるはイン逃げの水神祭&後半は大逆転の3着でトータル16ポイントを獲得。昨日までの4ポイント(50位)から27位まで浮上し、明日は「2号艇で①着条件」というギリギリ勝負駆けの可能性を残した。今日の回り足をフル活用すれば、「2日目50位からの準優入り」というミラクルがありえるかも?? 8月5日=24歳のバースデーに優勝戦へ……というサプライズな夢は、まだ途切れてはいない。

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 サプライズと言えば、初戦から6・4・5着と這い回っている中村桃佳も、今日の5Rでギリギリ予選突破の可能性を残した。4カド寺田千恵の絞めまくりに連動してのマーク差し一撃。お世辞にも機力が良いとは言えないが、なんとか戦えるだけの目途(中堅下位あたりか)が付いたかも? 明日のノルマは、4号艇&1号艇でのピンピン連勝。やはり6着発進から頂点に立ったレディースオールスターよりはるかに苦しい流れだが、可能性はゼロではない。F2持ちで奮闘している同期の倉持莉々ともども、明日の勝負駆けを見守るとしよう。(text/畠山、photos/シギー中尾)

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