BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

桐生レディチャンTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選ボーダー争い
莉々、F2流の逆転突破!

f:id:boatrace-g-report:20180803212040j:plain

 今日のボーダー勝負駆けのMVPをひとり選ぶなら、7Rの倉持莉々だ。予選突破の条件は「1号艇で②着」だからして、それ自体はさほどハードなものではない。ただ、F2の身の上で、さらにイン戦にまだまだ実績のない莉々にとっては難関と呼んでいいだろう。

f:id:boatrace-g-report:20180803212055j:plain

 いざ本番、やはり莉々はスタートで後手を踏んだ。起こしのタイミングこそ早かったものの、スリットの50mほど手前で明らかにアジャストした。推進力のないコンマ19。対して2コースの水口由紀はコンマ09。ひとたまりもない。1マークのはるか手前で豪快にまくられ、3コースの谷川里江のまくり差しを浴び、4カドの中谷朋子にもズッポリ差された。凹んだイン選手の宿命とも言うべきボッコボコの袋叩き。バック中間ではその3艇に置き去りにされ、4着争いが関の山という哀しい風情に見えたものだ。
 だが、そこからの莉々の追い上げが半端なかった。1周2マークは外から外への全速ぶん回し。この戦法のスピードでは、同期の中村桃佳にも負けないと私は思っている。あまりサイドを掛けない流れるような放物線ターンで、先団との差が一気に詰まる。ホーム直線はそれでもまだ4、5番手。

f:id:boatrace-g-report:20180803212114j:plain

 2周1マーク、ここでも莉々は凄まじい初動の早さで大外をぶん回した。大げさではなく、ニュージェネ軍団かと見まがう超絶スピード。この全速ターンで、莉々は3番手の中谷朋子(!)を一気に交わし去っていた。さらに2周2マークも全速マイで2番手の水口由紀に急接近。そしてそして、3周1マークはツケマイを警戒した水口が握って回ったところ、莉々は冷静にスピードを落として最内をズバッと差し抜けた。ありえない大逆転の2着=予選突破!! 「ここ半年の莉々のターンスピードは女子レーサー屈指」と思っているのだが、今日の3周はまさに彼女の急成長を証明するものだった。

f:id:boatrace-g-report:20180803212138j:plain

 一方、初日のドリーム1号艇をきっちり逃げきったV候補の中谷は、莉々に抜かれた後もずり下がって6着惨敗。④着条件を守りきることができなかった。ふたりの明暗を分けたのは、やはりあの2周1マークの逆転劇だったと思う。

THE勝負駆け②予選トップ争い
恐るべき自力まくり

f:id:boatrace-g-report:20180803212155j:plain

 夕方に「大混戦模様」と報じた予選トップ争いを制したのは、讃岐の女傑・山川美由紀だった。暫定5位の小野生奈、同3位の中里優子、そして同1位の山川が1~3号艇にズラリ並んだ10R。山川と中里は勝ったほうがトップ確定、1号艇の生奈は「勝って相手待ち」も枠番的に優位な立場ではあった。

f:id:boatrace-g-report:20180803212210j:plain

 いざ本番、激戦が予想されたこの三つ巴の直接対決は1マークでケリが付いた。スリットから、3コースの山川が伸びる伸びる! どこをどう整備したものか、日々少しずつ良化していた11号機(2連率28%)は今日になってさらに強力なストレート足を身に付けていた。逆に昨日までより展示タイムがかなり劣化していた小野は、スリットからまったく出て行かない。1マークの手前で山川が伸びなり襲い掛かり、一気に叩いて予選トップが確定した。嗚呼、何度も何度も書いてきたけど、なんて怖いお方なんでしょう!!!! この獰猛すぎる絞めまくりで、6年ぶり4度目の女王戴冠の可能性が一気に膨張したと言っていいだろう。

f:id:boatrace-g-report:20180803212239j:plain

 一方、大先輩の引き波に屈した生奈はよもやの6着大敗。節間勝率も暴落して準優は4号艇となってしまったが、それはそれで楽しみな枠番とも言える。是非ともストレート足を強化して、センター筋からの連覇を目指してもらいたい。(text/畠山、photos/シギー中尾)