BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――前検の動き

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 超抜17号機を引いた中村亮太には、やはり誰もが注目するのである。報道陣の多くが、係留所から上がってくる亮太に声をかけている。当然、僕も亮太には話を聞きたくなるというもの。そして、亮太としては、目が合った瞬間に次の展開を理解するわけである。
「へへへ、言わない」
 こちらが声をかけるより先に、亮太は悪戯っ子の目つきで釘を刺してきた。OKサインを見せても同じ。別に意地悪しているというわけではなく、「今日のところは少しいいくらい」というのがそのココロのようである。前検日としてはよくあるパターンだ。もっとも、その顔つきから感触が悪いわけがないというのは伝わる。
 もうひとつの注目は、独特のプロペラ理論をもつ亮太が超抜モーターのペラを叩くのかどうかということ。前検航走を終えた亮太がペラを外したので、やっぱり叩くのか!?とドキドキしたわけだが、今日のところは点検だけのようだ。ちょっと気になるところもあるらしく、本格的に叩くのかどうかは明日の様子を待つしかないだろう。

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「こんなエンジン引くか!? 下から2番目やぞ!」
 と森高一真が僕を怒鳴りつける。えーと、僕のせいじゃないんですけど……。まあ、森高の顔は苦笑混じりの笑顔なのであるが。よりによって地元SGでワースト2のモーターをなんで引かなアカンのや! 己の運のなさに呆れるような笑みを見せる森高なのである。
 それでも、ひとまず今日のところは、笑みが浮かんでいるように不機嫌というわけではない。いや、足がひどいからといって気持ちを曇らせたり心折れたりということはないわけだ。すなわち、地元SGで気合が横溢している! それはドリーム戦の記者会見で、同期の井口佳典も証言していたことだ。そのドリーム戦は6号艇だが、黙って6コースはまずないであろう。「最悪や」の言葉通りの感触を明日に引きずるのなら、初日の日中は整備室で姿を見ることになるだろう。気合の本体整備、となるであろう。

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 ドリーム組では、峰竜太が好感触を口にしていた。特徴は伸び。前検タイムは畠山が書くであろうが、峰の感触を証明する驚くべき時計を叩き出している。これを出足のほうに寄せるのかどうかもまた、注目点。森高が動いて深い起こしになるなら、伸びを活かす流れにはならないだろうから、明日はペラを叩くことになるかもしれない。今日は本体を外して、おそらく点検だろうが、調整もしている。これだけやっておけば明日はペラに集中できる、というわけだ。今年も丸亀SGはこの男が主役となるのか!?

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 整備室を覗けば、ギアケース調整に取り掛かる選手が幾人か。松井繁、赤岩善生、毒島誠、中島孝平などなどなど。森高も今日はひとまずギアケースからだ。まあ、このあたりはルーティンといったところか。赤岩善生はキャブレターを装着する姿もあった。

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 ペラ室も早くも賑わっている。田中信一郎、濱野谷憲吾、吉川元浩、重成一人、谷村一哉などなどなど。装着場の隅に臨時で設けられている調整所では笠原亮、湯川浩司。ナイターSGに来るたびに、暑さにも負けずに調整作業をする選手たちに感服させられるわけだが、今日はそれほど暑くなくてよかった。ちなみにここにいつも陣取っているのは銀河系軍団や服部幸男。服部の弟子である笠原、調整場所も服部イズムを受け継いでいる!?

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 ゆったりと過ごしていたように見えたのは太田和美だ。早々に通勤服に着替えて、エンジン吊り専科となっていた。ボートリフト近くで待機する場面をよく見たのだ。写真は、夕焼けを浴びてたたずむ太田と山崎智也。今回は丸亀の施行者希望で選ばれた二人。地元選手!? 個人的なイメージとして、太田はこういうマイペースの時ほど怖い、というのがある。SG復帰戦でいきなりの大暴れもあるかも!?

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 さてさて、本日は仲谷颯仁のお誕生日です! 仲谷に祝福の声をかけると、目を丸くしてからお礼の言葉。なんで知ってるんですか!? そんな感じ。ボート雑誌の編集長だからもちろん知ってますよ! というのはウソで、今朝調べ物をしていたらたまたま発見したのでありました。今日で24歳ですか。僕の24歳の誕生日ははるか昔でまったく覚えていないが、ボートレーサーでいえば勝率2点台くらいの若造だったかな。いまや堂々たるSG常連の仲谷は凄すぎます! というわけで明日の開会式に来られる皆様は、仲谷にハッピーバースデーの声をぜひおかけください!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)