BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――動き出しが早い

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 優勝戦の朝といえば穏やかな雰囲気、としたものだが、今日はそれぞれに精力的な動きが見られた。
 早くからプロペラ調整をしていたのが安河内将。その後はプロペラに焼きを入れている。朝のスタート特訓には優勝戦組ではただひとり出てこなかったが、その間もプロペラに専念していたようだ。安河内といえば、昨日は朝にエンジンを割っている。それについて、「今節は一回も本体を見ていないので、準優に乗ったら、一日時間があるのでやろうと思って、整備士さんに前の日からお願いしていたんです」と安河内。発表されるような部品交換はしていないが、シャフトの高さを調整するなど、考えていた整備を行なったようだ。それが奏功しての準優突破だったか。注目の進入は「行きます」。どこまで入るのかが確実にレースのカギを握る。

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 紅一点で注目される大山千広も、プロペラ調整。その前にはさまざまな取材を受け、柔らかな表情で応えていた。大山がペラを叩く周囲には小野生奈や竹井奈美など、頼りになる先輩の姿。存在感を覚えるだけでも心強いだろう。

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 羽野直也は、村松修二が隣で見つめるなか、ペラを叩いていた。朝から二人で話し込む様子もあって、村松が羽野にアドバイスを送っているようだ。村松は今節は残念だったが、7月に浜名湖のルーキーシリーズを優勝。今節は佐藤翼が乗った37号機を仕上げたのが村松だ。浜名湖の極意というものがあるかどうかはわからないが、当地モーターをパワーアップさせたことのある村松の言葉は、決して足的に優勢ではない羽野には大きいだろう。

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 松尾充は、松尾拓と向かいあわせでペラ室の一角に陣取っていた。だが、充はペラやハンマーを手にしておらず、こちらは拓に対してアドバイスを送っている様子。充は昨日の会見でも、モーターの好感触を話している。つまり、慌てて調整する必要がない、ということだろう。優出メンバーのなかでは余裕がありそうな一人だ。

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 最も大きな整備をしていたのは木下翔太だ。2R発売中にボートを整備室に運び入れて、モーターを外した。ボートを装着場に戻すと、本体を割り始めている。どうやらピストンリングを交換する模様だ(また戻すかもしれないので、直前情報を確認してください)。明らかにモーター劣勢なだけに、もう一丁カツを入れたいところ。格的にある程度人気を集めることになるので、それに対する責任感もあるか。どこまでパワーアップできるか、この整備も含めて木下の奮闘はこの後も続く。

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 調整作業を見ることがなかったのは関浩哉だ。優勝戦1号艇、もちろん緊張するのが当たり前だが、朝の段階では報道陣に囲まれたりしながらも、淡々とした表情ではある。このあとは当然ペラ調整に入るものと思われるが、今日はもうひとつ、メンタルも調整していくことになるだろう。優勝戦の見どころは、まずはやはり関がどんなレースを見せてくれるか、だ。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)