BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――誰もが思案する優勝戦

 

 2R発売中に、優勝戦のスタート特訓が行なわれている。13時20分から優勝戦出場選手インタビューがあったため、朝の特訓を移動したかたちだ。ちなみに並びは
①3256/4
②3246/5
③342/56
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 一目瞭然、1号艇は出てこなかった。というより、守田俊介は他の5艇が水面に飛び出したとき、プロペラを外している真っ最中だった。ハナから出るつもりはなかったようだ。ペラを手に調整室に入ったが、滞在はほんの数分。ゲージに合わせ、瓜生正義と真剣な顔で話し込み、すぐにプロペラをふたたび装着した。そして控室へ。調整はもう終わり? 少しだけ言葉を交わしたが、精神的には余裕がありそうだ。

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 守田が参加していなかったので、実際にインコースの獲り合いがどうするかはわからないが、石川真二はそれが当たり前というような感じで、1コースの位置に入っている。まるで1号艇のような入り方だった。3本とも。守田がどう対処するにせよ、本人はインコースを狙いにいくことを何も疑っていない。1コース石川、2コース守田も充分にあるだろう。

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 とにかく、優勝戦メンバーはいずれもリラックスして一日を始めているようだった。昨日まではかなり険しい雰囲気だった井口佳典も、ぐっと柔らかみを増したように思える。もちろん戦いの本番はこれからだが、ここまで勝ち抜いたことでまたリセットしてレースに臨めるということではないか。

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 池田浩二、石野貴之も穏やか。地上波中継のインタビュー収録は、馴染みの永島知洋氏がインタビュアーということもあって、実に和気あいあいとしたもので、二人とも終始笑顔を見せていた。永島氏が選手を和ませるのが達者ということもあるだろうが、その表情にピリピリとしたものは皆無だった。スタート練習を終えて陸に上がったあとも、にこやかな表情を随所で見せている。

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 篠崎元志だけ、少々テンションの高まりがあるかなあ、というように思えた。復帰戦で優勝戦にまでこぎつけられたことへの感慨もあるのか、やや敬虔な表情にも見えていた。優勝戦メンバーとはいずれも挨拶を交わしているが、もっとも短く返してきたのが篠崎。そこにはすでに気合のかけらが宿っているように思えた。今日は守田も石川が飛ぶことで思案を強いられるが、井口もまたピット離れいいだけに(また、スタート練習で石野が2本動いているだけに)、元志も進入で、そしてそのための仕上がりに関して、考えることは多いだろう。元志がどんな判断をくだすのか、楽しみ。ともかく、 選手も思案にくれる。我々も思案にくれる。いい優勝戦だ!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)