BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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三国レディースvsルーキーズTOPICS 初日

 まずは、団体戦の後半9~12Rの結果から。
【9R】
 ①水口由紀がしっかりガッチリ逃げきって反撃の狼煙。道中で巧みに捌いた④竹井奈美も2着に入線し、ルーキーズを圧倒した。
 紅組/1・2・5着=20点
 白組/3・4・6着=11点
【10R】
 今度は白組の①中村晃朋が盤石の逃げ。大外6コースからまくり差した⑤鈴谷一平が3着に入りルーキーズが再び突き放した。
 紅組/2・5・6着=11点
 白組/1・3・4着=20点

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【11R】
 8Rまでの空中戦が嘘のようなイン水面に? ①岩崎芳美が②村松修二の差しを寄せつけずに完勝。⑤古賀千晶が接戦を捌いて3着を取りきり、再び3-4ポイントとルーキーズに肉薄した。
 紅組/1・3・4着=20点
 白組/2・5・6着=11点
【12R】
 ルーキーズが突き放すか、レディースがタイに持ち込むか? インの①上條暢嵩が③関浩哉のまくりを受け止めて逃走。そのまま白組の勝利かと思いきや、②日高逸子&④寺田千恵の女傑コンビが凄まじい差しで肉薄。あわや上條を3着に沈めるか、という所まで追いつめるのだから恐ろしい。1周2マーク、上條が渾身の全速ターンでなんとか凌ぎきったが、⑥松本晶恵も含めてレディースが2~4着を占拠。初日の団体戦を4対4のタイに持ち込んだ。
 紅組/2・3・4着=18点
 白組/1・5・6着=13点

★初日の団体戦結果
紅組44白組

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 私個人の感想としては、「スピードの白組、捌き巧者の紅組」というそれぞれの特長が随所に生かされたイーブンだったと思う。正直、戦前は「ルーキーズが桁違いのスピードでベテランの女子勢を圧倒するのでは?」と見ていたのだが、レースはスピード勝負だけで決まるにあらず。新田芳美の混戦からしぶとく抜け出した差しハンドルや、最内をくるくる回って加藤翔馬らの追撃を完封した橋谷田佳織のいぶし銀の旋回力などなど、団体戦に不可欠な安定感を感じさせた。
 一方のルーキーズはスピードで圧倒する反面、宮之原輝紀はじめ3人が不良航法でマイナス7点。ルーキーらしい荒さという気がしないでもないが、こうした自滅プレイが最後の最後(ファイナルなど)で響く可能性もありえるだろう。

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 で、今日のMVPを勝手に選ぶなら6Rの勝者、紅組の団長・今井美亜だ。3コースからスリットでやや凹み、4カド池田明美の一気の絞めまくりを浴びる絶体絶命の展開。が、身体を張ってその猛攻を受け止めた今井は、そのまま握りっぱなしでイン古賀智之を攻め潰してしまった。気合以外の何物でもない「まくられブロックまくり」。昨日はそんな気合も含めてAランクに推したが、やはり正味の足は中堅上位あたりだと思う。明日からの上積みに期待しつつ、今節は美亜団長の「半端ない気持ち」をおそらく何度も水面で観ることができるだろう。

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 今井43号機とは逆に凄まじいパワーポテンシャルを見せつけたのが、5Rの國弘翔平58号機だった。インの長田光子が凹み、2コース村上遼がジカまくりを打ったこのレース。3コースの國弘の戦法は、セオリー的にはもちろん差しの一手だ。同期にして同チームの村上が作ってくれた絶好の差し場にハンドルを入れれば、仲良くワンツー決着が約束されただろう。

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 が、國弘の選択は同期の村上を叩き潰そうとする2段まくり!! こんな隣同士の順ぐり2段まくり、普通は決まるはずもないとしたものだが……3秒後には恐ろしい伸び足で村上を引き波にハメていた。それを実現させたのは、間違いなくエース58号機のパンチ力。2マークで新田芳美に差されたのはパワー差というより経験の差、道中のレース足でも空恐ろしいパワーを感じたものだった。「地元では誰もが知ってる58号機」なのだろうが、それでもやっぱりあの足を見た以上はこう呟くしかないな。
 現状、國弘58号機は間違いなく節イチだ、と。
 他ではやはり同期(110期)の三浦敬太の実戦足も強力だし、梅木敬太のスリット足が不気味に光っていた。

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 それからそれから転覆の影響がなければ、福岡泉水のスリット足。選手からもスタートで攻めようという気合が感じられるし、どこかで一発やらかす気がしてならない。デビュー1勝の身の上でも、侮るなかれ!(text/畠山、photos/チャーリー池上)