BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――初日の本体整備

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 終盤の時間帯、本体整備に着手する選手の姿が目立った。まずは地元の中田竜太。前半1号艇での取りこぼしを、後半4号艇2着でやや巻き返した格好だが、しかし機力に納得はいかず、パワーアップをはかり始めた。特別な気持ちを抱いて迎えた地元SG、やれることはすべてやり尽す。

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 桐生順平も本体を割った。10R逃げ切り1着で、こちらも前半の大敗を巻き返したわけだが、勝利者インタビューから戻ってくるや、整備を始めたのだ。しかも、上半身はTシャツ1枚。春の足音はたしかに聞こえているが、それでもTシャツ姿は寒かろうに。11Rのエンジン吊りにはそのままボートリフトに駆けつけていて、これは寒いに決まってる! エンジン吊りが済むや、ふたたび整備室へ。中田同様にさらなる上積みを目指す。

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 整備室の奥のほうでは、山川美由紀も本体整備。女子戦でも山川が本体に手を入れる姿は頻繁に見られ、仮に一変まではしなくとも、なんとか上積みをはかって予選を突破、という場面は何度も見てきた。SGでどうか、ということにはなるわけだが、機力が足りないと感じたらやることは変わらない。明日も懸命にパワーアップに取り組む姿は見られるだろう。

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 渡邉英児は中盤の時間帯に本体を割っている。今日の2走はともにピット離れが怪しく、1号艇と3号艇の内枠ながらコースを奪われてしまっている。レースでも見せ場らしい見せ場は作れなかった。それもあって、レース後すぐに本体整備に取り掛かったわけだ。整備が終わると試運転へ。11R発売中まで走った。磯部誠らとともに、最も遅くまで試運転をした選手だ。この粘りもまた、名人としての意地だろうか。

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 そういえば11R発売中には突如、雨が降り始めている。しかも、冷たい追い風が強くなってもいる。試運転を終えて陸に上がった磯部誠は、エンジン吊りをしてモーターを整備室に運んだあと、係留所に置いてあった工具を取りに来て、目を丸くしている。「ものの3分くらいで、こんなに天気がクシャクシャに変わります?」。試運転中は雨も風もなかったのだ。それほど、一時的に天気は急変した。「日頃の行ないだな」「誰の?」「……」てな会話で和みつつ、11Rの出走メンバーは大変だろうな、と思う。

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 レースが始まるころには雨は小降りになっているが、「展示とは気象が変わっている」と出走選手に注意を促すアナウンスもかかっている。そんななかで馬場貴也が逃げ切り! 気を遣う条件ながら、しっかりと押し切ってみせた。レース後はニッコリ。切れ長の馬場の目がさらに細くなっていた。2R5着の巻き返しに成功して、出迎えた面々に笑顔を振りまいていた。モーターは悪くないだけに、明日からも期待!

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 ドリーム1着は白井英治。平尾崇典のカドまくりに乗って見事にまくり差しを決めた。その白井、今節はなぜか「クイーンズクライマックス」のジャンパーを着用。えっ、今年はグランプリじゃなくてクイクラを目指すの? んなバカな。って、よく考えたら、今年のクイクラは徳山開催ですね。前節で徳山を走ったときに施行者さんにいただいたとか。今節は昨年クラシック優勝戦のリベンジと徳山クイクラアピールで頑張ります!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)