BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――勝者、敗者、笑顔

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 ハッピーバースデー、フトシ! 今日、3月19日は池永太の誕生日。まだまだ若手としか思えない池永も、34歳だ。そしておめでとう、2Rでバースデーウィン! 4カドから伸びてまくって、自らの誕生日を祝った。

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 池永は同支部同期の西山貴浩に出迎えられて、顔をくしゃくしゃにしてあがってきた。エンジン吊りを終えると、太田和美も祝福! 誰が見ても爽快なまくりだったもんね! 得点率は5.20で、予選突破は厳しい状況だが、やはり快勝は心をほぐしてくれるもの。

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 勝利者インタビューに向かう池永に、勝利と誕生日を祝福したら、池永はやっぱり顔をくしゃくしゃにしてくれた。「伸びはいいんですよ! ただ掛かりが、ね」。掛かりの部分で着を落としてきたのが昨日まで。しかし伸びはトップクラスなのだ。明日、明後日も要警戒!

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 2Rでは、岡崎恭裕が転覆を喫している。福岡支部の面々が心配そうにレスキューの発着所に集まったが、幸い体は無事。自力でレスキューを降り、どこかを痛がる素振りも見せていない。西山貴浩にはにっこりと笑顔も向けている。大丈夫大丈夫、の笑顔だろう。しかしながら、西山も、あるいは平田忠則も、岡崎に笑顔は返さなかった。転覆の悔しさは彼らも知っている。怪我がなかったのは安心でも、笑い返す気にはなれなかったのだろう。笑顔を見せた岡崎も、胸の奥底には悔しさしかなかったはずだ。

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 1Rは桑原悠が4カドからのまくり差しで快勝。後半9Rは無事故完走で6.00となる。1号艇だから、1着なら7.50だから準優好枠の目も出てくるぞ。初のSGで予選2勝。上々の成績に、桑原も顔をほころばせて上がってきている。

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 2着は同支部の原田幸哉。長崎ワンツーだ。しかし1号艇だった原田、エンジン吊りの最中も表情は硬かった。必勝のはずのイン戦を、同支部の後輩にぶち抜かれたのだ。悔しくて当然である。

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 それでも、桑原が頭を下げに来ると、左手の親指を立てて祝福。さらに背中をポンポンと叩いた。悔恨を押し殺して後輩を称える、原田幸哉なのであった。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)