BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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難水面を乗り越える!

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 ここまで、風が本当にコロコロと変わる。追い風が多いのはたしかなのだが、気づけば向かい風になっていたり。また今日は風が強めで、選手たちも本当に大変そうだ。今日は6Rでフライングも出てしまった。四宮与寛。スタート展示では、左斜めから吹く5mの追い風でコンマ07のスタートだったが、本番では風速が6mにアップ。全体的に早いスタートで、勝った樋口由加里も途中放ったというから、スタート勘が難しかったことだろう。四宮はコンマ02の勇み足で、優勝争いからは脱落してしまった。ただし、もちろん団体戦の戦力であることには変わりないのだから、しっかりと切り替えて、明日からも奮闘してほしい。

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 もっとスタートが難しかったのは9Rか。スタート展示では追い風5m。これが本番では左横風5mに変わっている。左横風とは言うが、空中線はハッキリと2マークのほうにたなびいていた。向かい風に近かったと思う。スタート展示ではダッシュのレディース勢はほぼタッチスタートだったものが、本番では一気にコンマ31~39に。インの菊池宏志はスタート展示でもコンマ24と遅れており、追い風のままでも合わせるのは難しかったと思うが、風向きが変わってコンマ39。このへんは運の部分もあると思う。2コースまくりで勝った(決まり手は抜き)土井祥伍もスタ展コンマ12から本番コンマ25。「難しかったです。様子を見てしまったこともあるんですけど、展示より遅れてしまった」と振り返る。それでもこれがトップスタートで、ある程度は踏み込む意志があったから好隊形を得られたのだろう。こちらは半分は自力と言っていいと思う。土井選手、お見事です!

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 今日は水面にうねりも出ており、全体的に難水面だった。選手たちも大変だっただろう。それを克服して、無傷の3連勝となった山崎郡はさすがの一言。パワー上位も間違いないが、思い切りのいいハンドルも素晴らしい。ピットではとにかく気合のこもった様子で、目つきにも力がある。三国レディースvsルーキーズの上條暢嵩パターンに似てきたなあ。どちらも大阪支部、チームグラッツェだし。

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 江戸川レディースvsルーキーズの澤崎雄哉パターンに似てきたのは、こちらも3連勝の山田晃大だ。地元開催の団体戦で好機を武器に、優勝未経験の若手が勝ちまくる。山田といえば、今節は祐也のほうに注目が集まっていただけに、この活躍は見事というほかない。ピットでは地元ということもあり、松山将吾とともに動き回っている姿がある。人の良さそうな笑みを随所で見せていて、雰囲気的には山崎と対照的だったりする。明日の6号艇はひとつの正念場となろう。

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 団体戦のゆくえは、2日目はルーキーズがリード。紅組7vs白組9と2ポイント差がついた。女子が内枠を占めた10Rで白組にポイントを奪われたのが、紅組は痛かった。このレースは山川美由紀が3コースからまくりを決め、これに外枠のルーキー勢が連動した。松尾充が2番手となり、3番手争いは中村将隆と浜先真範。これを追った守屋美穂が、2周1マーク、最内を差して……これに届いた!

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「よーーーーっし!」
 という声とともに、拍手が聞こえてきた。音がする方向に目を向けると、展示待機室で観戦していた松瀬弘美が力強く手を叩いている。守屋が3着になれば、ポイントは紅組に入る。しかし、4着以下では土屋南が6番手を走っていることから、白組にポイントが行ってしまう。さすがレディースvsルーキーズ2度目参戦の松瀬さん、ルールをよくわかっていらっしゃる。熱のこもった応援をモニターに送る松瀬。守屋は3着を守れるか!?
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 うー、残念。混戦で後れをとって、結局5着に敗れてしまった。インコースで敗れたこと、着争いで捌かれてしまったこと、もしかしたらポイントを白組に献上してしまったこと、などなどが相まって、レース直後の守屋はとにかく悔しげに顔を歪めていた。
 そんな守屋を癒したのがほかならぬ松瀬弘美。「よし、行ったと思ったけど……」みたいなことを、派手な身振り手振りで守屋に話していた。責めるでもなく、でも力いっぱい応援していたのだということを伝える松瀬に、守屋はおかしそうに笑った。もしかしたら、これでかえって、さらに紅組の結束が強まったかも。2日目終わって白組リードは過去2回と同様、しかし2ポイント差は最小差である(というか過去2回は2日目終わって、ともに4対12の大差となっていた)。紅組の巻き返しはここから! 明日のレディースはさらに闘志高めて臨むのは間違いない。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)