BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――さあ行こう、多摩川SG!

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 10年の時を超えて久々にSGが繰り広げられる多摩川、そのオープニングを制したのは馬場貴也! 10年前の馬場はまだSG未出場。すでにA1級ではあったが、SG初参戦はそれから3年を待たねばならなかった(12年メモリアル)。その間に、馬場はSGを制し、グランプリにも出場し、SGの中のSGといわれるグラチャンに登場するまでになった。そして10年ぶり多摩川SGの初戦を逃げ切った! お見事!
 ピットで出迎えるはもちろん守田俊介。守田は10年前の多摩川クラシックに出場していた。この舞台でのSGを知っている先輩が、馬場を称える。馬場の切れ長の目がさらに細くなった。

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 対照的に肩を落としながら戻ってきたのは吉田拡郎。見せ場なくシンガリに敗れ、幸先の悪すぎるスタートとなってしまった。吉田のSG初出場は08年のグランプリシリーズ、そして翌年3月の多摩川クラシックにも出場! ともに準優に駒を進めている。赤丸急上昇の注目株だった当時20代中盤の拡郎。その勢いをしっかり見せつけたSGデビュー戦、そして多摩川SGであった。円熟期にも入ってきた拡郎だが、ここは何としても巻き返して、10年前を上回る活躍を見せたい。

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 多摩川SGといえば、やはり笠原亮の衝撃度が忘れられない。14年前、05年クラシックでSG初出場初優勝を成し遂げているのだ。1R、水面際でレース観戦していた笠原が「懐かしいな~」としみじみ呟く。たしかに、あれから14年も経ったとはとても信じがたい。取材班がこの現場レポートをスタートしたのは05年オールスター。まさに笠原のクラシック制覇の次のSGからだった。一躍スターダムにのし上がった笠原は、いきなりSGの常連となることになり(当時はSGを獲ると向こう1年のSGの優先出場権を得られた)、オールスターのピットでは環境がいきなり変わった戸惑いもあったか、実に初々しい振る舞いだったのを覚えている。そんな笠原が来年不惑となるのだから、たしかにしみじみしてしまいますな。しかし、懐かしいなんて言わず、あのとき以上に衝撃的なレースを見せてほしい! と、僭越ながら少々ハッパかけさせていただきました(笑)。

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 そのクラシックで優勝戦Fだったのが白井英治。あそこからSG優勝戦での悪いリズムが始まったんですかね。俺、あのとき白井勝負だったなあ。返還、めちゃくちゃ並んだなあ。などと考えつつ、膝をついてプロペラを外している馬場を撮影していたら、背後から白井に笑われた。「ヒザ、やばいでしょ?」。後ろから見たら明らかにヒザが痛そうだったらしい。「ヒザも腰もやばい」「はっははー! 負担大きそうだもんなー」。そりゃデヴですからね! とにもかくにも、リラックスムードの白井だ。白井としては、あの優勝戦Fの悪夢をしっかり払拭したい多摩川SG、である。
 さあ、多摩川SGが始まった。選手も我々ファンも、最高の一節を過ごしたいですね!(黒須田)

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 今村豊も多摩川SG覇者。88年ダービーです。昭和63年! 羽野くんとかグラッツェ木下とか颯仁とかが生まれる前! 令和になっても元気いっぱい!