BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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下剋上の隠れエース23号機は光ちゃん!

(抽選前のつぶやき)

 4月から稼働している浜名湖モーターには、地元ファンなら誰もが知ってるスーパーエース機が存在する。2連率58・5%の59号機だ。誰が乗ってもストレートが節イチ級、しかも出足系統もゴキゲンと非の打ちどころがない。今日もとびっきりの目玉商品として選手たちの視線を一身に浴びることだろう。

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 この有名すぎる59号機は置いといて、今回もBB誌の一般戦ウォッチャー三島敬一郎にそれ以外の推奨10基をピックアップしてもらった。短評とともに紹介しておこう。

浜名湖モーター 上位評価10基

★★★43号機(57%) A+ 全体的にバランス良く、新ペラ交換でエース級へ。
★★★17号機(37%) A+ 森秋光のキャブ交換で伸び足が3割増!
★★46号機(45%) A  出足・行き足と良い動き。記念クラスなら楽しみ!
★★61号機(49%) A  出足・回り足と良く、出口の押しも力強い。
★★53号機(38%) B+ 整備多いが、出足はトップ級の仕上がりに。
★★10号機(35%) B+ 出足・回り足は良いが、伸びは売り切れる印象。
★60号機(45%) B  出足・行き足となかなか動き、記念クラスが引けば。
★39号機(37%) B  全体的に強めの印象。
★50号機(46%) B  事故と整備が多い。乗り手の勝率臭く怪しい。
☆☆☆☆☆23号機(30%) ∞  ボロモーターが中間整備で行き足・回り足抜群に!!!

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 そう、もっとも気になるのが「∞」評価の23号機だ。つい先日まで10%台のワースト機だったが、腕のいいチーム浜名湖の中間整備で激変豹変!! 今や59号機以上の破壊力を秘める隠れ超抜機に変身してしまったのだ。まだまだ数字は低いから、この23号機は舟券的にも妙味たっぷり。初日から狙うべき穴パワーとお伝えしておこう。さてさて、エース59号機と下剋上23号機を引き当てるのは、誰だ??

(いざ、抽選会場へ)

 峰、桐生、瓜生などなどスーパースター軍団がいて、はたまた多田有佑、金子和之、立具敬司などなどB級軍団もいて……いつものSG抽選会とはまるで異質な光景が広がる中、モーター抽選会がはじまった。
 立会人の菊地孝平ら地元レーサーのイチ推しモーターは、なんとなんと下剋上の23号機?? この隠れ超抜機を今垣光太郎が引いた瞬間、菊地は「おおっ、出たっ!!」と大声を張り上げた。さらに菊地が何事かをボソボソ告げると、ただでさえツブラな光ちゃんの瞳がキラッキラに輝き、子どものように無邪気な笑顔を浮かべた。なんて分かりやすい(笑)。

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 自席に戻ってからも光ちゃんは笑顔のままソワソワと落ち着きがなく、傍に立っていた私に「これ、そんなに良いんですか?」とキラッキラの瞳。
私「ついこないだまで13%だったのが、中間整備で化け物みたいに良くなったみたいです」
光「ホントですか? (前節の出走表の小山勉23号機を指さして)このモーターですよね。で、誰が優勝したんですか?」
私「その小山選手です!」
光「(キラッキラ)ホントですかっ???」
私「思う存分、まくってください!」
光「(キラッキラッキラッキラ)えっっ、伸びるんですか??」
私「全部の足が凄いと思います」
光「(キラキラキラキラキラキラ)ホントですか????」
 すっかりその気にさせてしまったが、前節の小山勉の鬼足を見る限り誇張したつもりは1ミリもない。今節の光ちゃんはまくりまくる!とお伝えしておこう。

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 で、この抽選会の一番のお目当てレーサーは、光ちゃんのひとつ前に座っていた三浦敬太だ。言わずと知れた、我が故郷・北海道代表である。BB誌の8月号で私は「第1回の北海道代表は熊谷直樹であって欲しかった」などと書いたので、まずはそれを詫びた。敬太は「いえいえ、僕もそう思いましたから」とにっこり微笑んでくれた。そこから道産子同士の会話が弾む。
私「確か、旭川の自宅のお隣さんが、偶然にも熊谷さんチだったんだっけ」
敬太「いえ、熊谷さんの奥さんの実家がお隣だったんです。凄い偶然ですよね、旦那さんのお仕事がボートレーサーとか、僕が選手になるまでぜんっぜん知りませんでしたから」
私「ミラクルすぎる! で、どう? こんな抽選会のムード、初めてっしょ」
敬太「記念の時以来ですかね。でも、上の選手のレベルがあれより半端ない、完全にSGって感じで……」
私「まくったれまくったれ~、甲子園の北北海道代表もキョクダイに決まったし、流れは来てるっしょ」
敬太「あ、キョクダイが勝ったんですね、良かった!」
 他愛もない会話の連続なのだが、旭川大付属高校=「キョクダイ」で通じるだけで心がほっこりしてしまう。ボートレース辺境の地で育った者同士の親近感。そんなこんなで会話が弾んでいるうちに、モーター抽選は終わっていたのだった(笑)。

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 で、いつの間にやらスーパーエース59号機を引き当てたのは、敬太と同じ東京支部の長田頼宗(神奈川代表)。席に戻った長田が嬉しそうに隣の高橋直哉(秋田代表)に何事かを話しかけ、それを受けて高橋が隣の敬太にこれまた嬉しそうに何事かを囁くように話しかけていた。出身地はアチャコチャなのに同じ支部。これっていかにも東京っぽいな。若い北国コンビを見ながら、そんなことをぼんやり考えていた。

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浜名湖の注目モーター

59号機(59%)=長田頼宗
43号機(57%)=中越博紀
17号機(37%)=茅原悠紀
46号機(45%)=金子拓矢
61号機(49%)=今井美亜
53号機(38%)=中島孝平
10号機(35%)=瓜生正義
60号機(45%)=寺田 祥
39号機(37%)=多田有佑
50号機(46%)=重成一人
☆23号機(30%)=今垣光太郎
(photos/チャーリー池上、text/畠山)