BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット--4日目②水神祭&大山の連勝止まる!

 今節GⅠ初勝利がかかっていた選手は全部で6人いた。まずは2日目に津田裕絵が2日目に4コースから1着になり水神祭一番乗り。3日目は清水沙樹が逃げ切って今節2本目の水神祭をあげた。

 そして本日のオープニングカード1R。1コースがドカヘコミになり、2コースから普通にスタートを切っていた若狭奈美子がそのまま左にハンドルを切ると1着。すでに2日目に1号艇を使い切っていただけに、今節の水神祭は難しいかと思われたが、勝てるときはこんな風にアッサリと勝てるものである。

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「イッェーイ!」
 リフト前で両手を振って大喜びしているのは、岡山軍団の総帥・寺田千恵。田口節子や守屋美穂も「よかった」「よかった」と若狭の勝利を称賛。祝福の声をかけられるたびに、若狭は目を細めて応えていた。

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 というわけで今節3発目の水神祭。前回に引き続き、あのヒヨコ(アヒル?)浮輪が登場。ウルトラマンスタイルで担ぎ上げらると、そのまま水面へダイブ。

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 頭から強く叩きつけられたからか、しっかりつけていたはずのヒヨコ浮輪が外れてしまった。浮き輪の意味ないじゃん。

 

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 続く2RもGⅠの1着未経験の土屋実沙希が1号艇で登場。スリットはほぼ横一線。このまま逃げ切るかにみえたが、2コースの向井美鈴が強ツケマイを敢行。モロに引き波に呑まれて5着に大敗した。引き上げて来た土屋はレースカポックを脱がず、しばらくの間、長嶋万記と話し込む。レースを回顧しているのであろう。

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 6Rにも水神祭を早く上げたい関野文が1号艇で登場。スリット手前までは横一線、関野が逃げ切るようにみえたが、直前で関野の艇がズルっと下がる。おそらくアジャストしたのだろう。こんな甘い隊形を女王経験者が許すわけはない。2コースの山川美由紀があっさりまくって関野は6着に沈んだ。

 今日の夕方は逢魔が時。6Rの関野、7Rの竹井、8Rの塩崎と、インが大敗する。

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 F2の立場ながら、今節は果敢に勝負に出ていた塩崎。ここを逃げ切れば、いや大崩れしなければ準優当確だった。スタートはコンマ09のトップタイミング。そのまま1マークをしっかり回れば逃げ切れるはずも、ターンマークを大きく外してしまう。それでも2番手を追走。ここをキープするだけでよかったのに、2マークでは向井美鈴にブツけられて3番手。2周1マークで勝負手の切り返し気味ターンを繰り出すが、これも不発でさらに着を下げる。結局は5着に大敗。予選突破はかなわなかった。

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 こうしてイン3連敗の状況で9Rに突入。ここにも水神祭のかかる藤原菜希が1号艇で登場していた。

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 全艇がコンマ10以内という速いスリットになったが、藤原菜希はコンマ08からそのまま伸び、1マークを回った後も他艇を離して1着を確保。GⅠ初勝利と、GⅠ初準優出を同時に決めた。
 東京の総帥・渡辺千草を筆頭に、廣中智紗衣、関東の松本晶恵などが、藤原菜希をかつぎあげる。もちろん胴回りには、黄色い幸運のヒヨコが。

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 水から上がって来た藤原はJLCのインタビューに応える。

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「今回もう1回水神祭をあげられるようがんばります!」
 その心意気やよし。明日の準優勝戦は2号艇。初出場初優勝の権利を持つのは、大山千広だけではない。

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 そして11R。5連勝中の大山千広が登場する。じつは6Rで遠藤エミが4着に敗れた瞬間、すでに大山が完走すれば予選トップ通過になることが決まっていた。
 スリット通過後にやや出ていく気配があった大山64号機だが、インを叩けるほどではない。1マークで大山は差しを選択。差しを見切った中谷は、ターンマークをハズさずしっかり回ってそのまま押し切り。大山の連勝は5でストップした。
 ただし大山の足が落ちたわけではない。ターンを失敗して道中で4番手に下がるのだが、そこからの追い上げは凄まじかった。

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 明日は11R1号艇。しかも4号艇には小野生奈、5号艇には日高逸子。福岡支部の、旧女王、現女王、そして新女王候補が、ブツかり合うことになった。
 この機力があれば、トップスタートを切り、ターンマークをハズさなければ、逃げ切りは濃厚なはず。女王との戦いと同時に、自分との戦いになる。

(TEXT姫園 PHOTO中尾茂幸)