BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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大村メモリアルTOPICS 2日目

地元トリオが大暴れ!

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 ここんところモーター寄りの記事に偏っているので、今日はちょいと違った視線から入ろう。この2日間で「まくり」を決めた選手は3人のみ。
★初日3R④篠崎元志の4カドまくり
★初日8R③瓜生正義の3コースまくり
★2日目5R④菊地孝平の4カドまくり
 並べてみれば、なるほどと頷くファンも多いだろう。3人ともにスリットから少しでも覗けば自力で攻めたがる選手ばかり。新概念データに照らし合わせてみても、「3コースからのまくり勝ちがやたらと多い瓜生」「4カドになるとまくり勝ちが増える元志、菊地」という傾向にもぴったり一致する。

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 で、何が言いたいかというと、「この3選手はたとえ機力が劣勢であっても、隙あらばまくりに行こうとする」という点だ。新概念データでは成功した回数だけが記録されるが、その水面下では何十回もの失敗例が折り重なっている。で、そのたびに大なり小なりの穴チャンスが発生してもいる。むしろ、パワー劣勢にも関わらず果敢に絞めまくりに行った時のほうが、成功失敗はともかくとして大穴のチャンスが生まれやすいとも言えるだろう。

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 今節のメンバーで言うなら、4カドの今垣光太郎(今日は中村亮太にブロックされて不発)や桑原悠(今日はまくり差しで……後述)、3コースの太田和美などが同類か。これらの猛禽まくり族は「伸びるから狙う」とか「伸びないから消す」という一般常識を無視して、常に常に大穴を警戒すべき面々だと肝に銘じておきたい(最近、パワー面ばかりを強調する私自身への自戒も込めて)。

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 さて本題。原田幸哉、桑原悠、中村亮太の大村トリオが地元水面で暴れまくった。まずは2R、選手班長の幸哉が2コースからズッポリ差し抜けて1着。インコースがF2持ちの小野生奈で攻めやすかったという利点もあったが、そこは「選手班長さん、ご苦労さん!」という施行者さんの親心ということで(笑)。

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 後半9Rの幸哉はインからしっかり逃げきってピンピン連勝。こうなると、昨日の1周2マークの接触で2番手→4着とポイントを落としたのが惜しまれるが、それでも予選8・00=暫定3位なのだから十分にV圏内と呼べるポジションだ。ここ数年、SGではどうにも煮え切らない成績が続いている天才レーサーに、10年ぶり4度目のSG戴冠の大チャンス到来。明日の4R4号艇も、節間平均コンマ06のスタート力で3連勝だけを目指すことだろう。要注意!

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 幸哉が逃げた直後にドカーーン474倍の大穴をブチ開けたのが桑原悠だ。前半5Rはインコースから前出・4カドの菊地にまくられて悔しい2着。昨日の5着も含めて険しいスタートになったが、10R4号艇で大爆発。インの茅原悠紀に2コース毒島誠が強ツケマイを放ち、激しい競りになったところに4カドから全速のまくり差しを突き刺した。

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 展開に恵まれた勝利ではあったが、スリットから3コース魚谷智之を叩き潰し、さらに6コースから全速で襲い掛かった遠藤エミを完璧にブロックしての差しハンドルは天晴れの一語。この大金星で予選6・67=暫定11位まで躍進した桑ユーの明日は1R6号艇。やや劣勢な機力(もうひと伸び欲しい!)で、どこまでポイントを加算できるか。大村の若き暴れん坊の勝負駆けに注目したい。

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 そしてそして、『片翼の天使』中村亮太34号機は、どちらかと言うとスタート前の進入争いで大暴れだ。6号艇の3Rはゴリゴリ攻めて3コース奪取。渾身のまくり差しは惜しくも届かず3着止まりだったが、枠番を考えれば悲観する成績ではない。

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 さらに後半11Rは5号艇からでも激しくコースを奪いに行った。相棒34号機でもっとも気に入っているのは「一の足」。つまりは多少深くなっても「スロー発進でこそ超抜パワーが生きる!」と確信しての前付けだろう。このレースでも3コースを取りきった亮太は、2コース桐生順平を力でねじ伏せるような全速握りマイで2着ゲット。インの篠崎元志には届かなかったが、5・6号艇を消化しての予選8・00=暫定5位は上々のポジションだ。明日は12R3号艇の一発勝負。今日の3コース2連発という実戦経験が、明日の亮太34号機にさらなる活を入れることになるだろう。あ、そうそう、亮太には「3カド」という秘密兵器があることも、少しだけ頭の片隅に置いておくように!(photos/チャーリー池上、text/畠山)