BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

大村メモリアルTOPICS 3日目

仁義なきカド抗争

f:id:boatrace-g-report:20190829214851j:plain

 今日は前半戦から珍プレイあり大波乱あり、スタンド(正確には記者席)が沸きに沸いた1日だった。
 極めつけは3Rだ。このレースは極撰予想でも記したとおり、「③今垣光太郎が嬉々として3カドに引く」はずだった。で、その予測どおりに3号艇の光ちゃんはスタート展示でも本番でも(おそらく)嬉々として舳先を翻した。お家芸の3カド確定!!

f:id:boatrace-g-report:20190829214926j:plain

 と思いきや、なんとなんとその内側にいた2号艇の西山貴浩もひょっこり舳先を反転。1/②3456というSGでは超レアな2カド戦法=枠なり1対5隊形ができあがった。いちばんビックリしたのは光ちゃんだったかも?
 今垣と西山にはちょっとした因縁がある。何年か前のグランプリシリーズ準優で1号艇の今垣から2号艇の西山が何食わぬ顔でインを強奪したのだ。ちょいちょい1号艇でインを奪われる光ちゃんだが、さすがに18歳も年下の後輩からコレを喰らっては平常心ではいられない。レース直後のピットで西山を睨みつけ、何かしら怒りの声を発したと聞いている。

f:id:boatrace-g-report:20190829214959j:plain

 だと言うのに、今日も西山はやらかした。(おそらく)三度の飯よりも大好きな光ちゃんの3カドを台無しにしてしまった。
「こら、西にゃん、俺たちの美味しいオヤツを取りあげるなっ!」
 今垣3カド想定で穴舟券を買っていた私も思わず叫んだが(笑)、それにしてもの大胆不敵な2カド選択! その後、結局は2カド西山も3コース今垣もスリットから攻めきれず、イン山田康二の逃げを許した。あえて命名するなら「カド受け逃げ」だな。

f:id:boatrace-g-report:20190829215035j:plain

 で、凄まじかったのは最終ターンマークの西山vs今垣の3着争いだ。舳先を揃えた外から、今垣が選んだ戦法は怒りの(?)強ツケマイ!! それはなんと言うか、全体重を乗っけて攻め潰すような鬼気迫る握りマイに見えた。
「西山、許すまじ!!」
 こう叫んでいたかもしれない。結果はハナ差で今垣が大逆転3着。とりあえず、今日のところは痛み分けと言うべきか。今垣vs西山の因縁が今後も続くかどうか断言はできないが、明日以降もふたりが揃った番組では「何かが起きるかも??」と波乱の展開を想定しておきたい。

王者の蹉跌

f:id:boatrace-g-report:20190829215509j:plain

 「ここはホントにイン天国の大村か??」と疑うほどに、断然人気のイン選手たちが舟券の圏外までぶっ飛んだ。とりわけ恐るべき配当が飛び出したのは6R。インの中田竜太に4カドの平本真之が伸びなり襲い掛かり、これを2コース今村豊がブロックしている間に大外6コースの太田和美がズッポリのブイ差し!!! 一般戦も含めてここ1年以上も6コースで1着のない太田が、イン帝国のSGでアタマまで突き抜けたのだからたまらない。イン中田は舟券圏外まで飛び散り、3連単の⑥③②は泣く子も黙る119番人気=1898倍まで跳ね上がった。

f:id:boatrace-g-report:20190829215223j:plain

 イン飛びと言えば、9Rの王者・松井繁も凄絶の一語。スタートで後手を踏んだところに2コース吉田拡郎の情け容赦ないジカまくりを浴び、さらには愛弟子とも呼ぶべき⑤吉川元浩の一刀両断のまくり差しに切り裂かれた。よもやの6着大敗で早くも準優がほぼほぼ絶望的になった王者。3連単⑤②④の699倍という配当は、全国の松井ファンの「どうした王者??」という悲壮な叫びをそのまま代弁している。

f:id:boatrace-g-report:20190829215249j:plain

 もうひとり、4Rの①遠藤エミもスタート負けをやらかし、2コース篠崎元志のジカまくりで5着までぶっ飛んだ。遠藤49号機は前検から「ペラにヒビが入っているけど、換えるべきかどうか」と悩ましい選択を迫られていた。これまで準エース級の活躍を誇っていた銘柄モーターならではの苦悩。
 昨日、エミはついに「換える」という決断を下した。結果は大正解だったと確信している。昨日の49号機の足色は、まさに準エースのそれだった。今日も昼特訓から非凡なパワーを感じたものだが、インからのコンマ22はあまりにも遅すぎた。ただ、インで大敗を喫したからこそ、明日の5号艇&2号艇が絶好の狙い目になったと思うのだがどうか。直前の気配と照らし合わせつつ、自在に舟券に絡めてみたい。(photos/シギー中尾、text/畠山)