BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

平和島BBCT準々決勝ダイジェスト

GPコンビの激走

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9R
①吉川元浩(兵庫)17
②深川真二(佐賀)16
③井口佳典(三重)16
④丸野一樹(滋賀)10
⑤磯部 誠(愛知)16
⑥大上卓人(広島)12

 賞金ランク2位の吉川が逃げて、同8位の井口が3コースから剃刀のような鋭いまくり差しをブッ込んで、あっという間に2艇だけが突き抜けた。GPコンビの独壇場。私が期待した深川の2コース差しは、初動ハンドルを入れる暇すらなかった。

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 一方、2艇から置き去りにされての3着争いは丸野vs磯部の一騎打ち。常にリードを保ち続けたのは丸野だったが、登録番号がぴったり100だけ先輩の磯部があの手この手の嫌味を付け続け、最後の最後のターンマークでハナ差だけ逆転した。3着条件ならではの激しい磯丸対決ではあったが、その10艇身ほど先を行くGPレーサーの強さだけが際立つ本命決着だった。

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 1着・吉川(GP組)
 2着・井口(GP組)
 3着・磯部
 明日の準決勝では、1着の吉川が1・2号艇、2着の井口は3・4号艇、3着の磯部は5・6号艇のグループに配属されることになる(以下同)。

GPコンビの安泰

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10R
①瓜生正義(福岡)14
②赤岩善生(愛知)14
③篠崎元志(福岡)15
④太田和美(大阪)15
⑤西村拓也(大阪)14
⑥前本泰和(広島)14

 前付けが予想された前本が、他艇のブロックに白旗を挙げてダッシュ選択。穏やかな枠なり3対3で、しかもスリットラインが美しいまでの横一線になってしまっては外コースの出番はない。賞金ランク6位にして今節の選考順位3位の瓜生がコースの利を生かして逃げきった。

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 惜しかったのは2コースの赤岩で、小回りの差しから伸びる伸びる! 初日のセット交換&さまざまな整備がどんだけ当たりまくったのか。惜しくも舳先を突っ込みきれなかったが、ターン回り~スリット裏あたりの迫力は明らかに瓜生のそれを上回っていた。自身に選考8位をもたらした3Daysバトルトーナメント(完全V)も含め、まさに「Mr.トーナメント」と呼ぶべき暴れっぷりだ。

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 3着は1周2マークの混戦を一撃の捌きで抜け出した太田。このレースもGP組のふたりがキッチリ準決勝のチケットをモノにした。
 1着・瓜生(GP組)
 2着・赤岩
 3着・太田(GP組)

GPトリオの独占

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11R 並び順
①柳沢 一(愛知) 10
⑥松井 繁(大阪) 11
③桐生順平(埼玉) 14
②今垣光太郎(福井)14
④濱野谷憲吾(東京)20
⑤木下翔太(大阪) 21

 つ、つ、つおすぎるっ!!!! このレースも暮れのGPに参戦する3選手が、すべての議席をもぎ取った。スタート展示は松井がゴリゴリ攻めて、内3艇が深い136//245。4カドが今垣だからして、波乱ムードぷんぷんの隊形だった。いざ本番は桐生が松井を受け入れて16・3/245となったが、それでも穴党が色めき立つ並びではある。

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 これでF持ちの柳沢などなど、スロー勢が遅れれば……。
 濱野谷◎の私も胸をときめかせたものだが、本番のスリット隊形は↑御覧の通り。賞金ランク7位の柳沢がトップS!からサッサと逃げきり、4カドから攻めきれなかった賞金16位の今垣が2番手に粘るところを、賞金5位の桐生が一撃の差しで逆転。早々にGPトリオのワンツースリー態勢が固まった。

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 うーーーん、9Rからここまで7人のGP戦士が参戦し、7人ともに9枚しかない準決勝チケットを難なくGET。枠番の利と言えばそれまでだが、スタートから1マークから道中の捌きから、どれも文句のつけようのないレースっぷりだった。
 1着・柳沢(GP組)
 2着・桐生(GP組)
 3着・今垣(GP組)

GPコンビの大団円

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12R
①毒島 誠(群馬)13
②長田頼宗(東京)17
③田村隆信(徳島)16
④上平真二(広島)16
⑤原田幸哉(長崎)16
⑥中谷朋子(兵庫)15

 このレポートは、各レース後にほぼリアルタイムで書いてきた。大穴舟券ばかりを買い続けている私としては「最後の最後に大波乱が待ち受けていた」と書き出したかった。だがしかし……このラストチャンスも穴党の出番は1ミリたりともなかった。

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 スリットほぼ横一線からトップSの毒島(言わずと知れた賞金トップ)があっさり逃げ、選手班長の長田が小回り差しから追随し、賞金ランク11位の田村がガッチリ3番手キープ。わずかな波乱を感じさせたのは3周1マーク、田村を追いかけた上平が渾身の差しで肉薄したのだが、減速してブロックした田村がこの猛追を凌ぎきった。ゴール通過順は123456。今日の4試合をすべて総括するような結末だった。
 1着・毒島(GP組)
 2着・長田
 3着・田村(GP組)

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 GP組の準々決勝での活躍ぶりを記しておこう。
★9人が参戦して12議席中の9議席獲得・突破率9/9=100%!!!!!
 もちろん、この9人がメチャメチャ強いことは百も承知だが、戦前の私は「誰かしらがスタートで凹み、どこかしらで大波乱が起きるはず」と予測していた。今日は6RでGP組の馬場貴也が痛恨のF(無駄切りと呼んでいいだろう)をやらかしており、襟元を正すというか我が身を省みるというか、他のGP戦士たちに相応の影響を与えるのではないか、などと考えたのだ。終わってみれば……現在の艇界に君臨するトップレーサー9人は、そんな私の貧相な発想を9人揃って粉砕してみせた。まさに、戦車に竹槍だった(涙)。

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 さてさて、明日の準決勝戦は速報で伝えたとおり、「GPトライアルの前哨戦」の如き超豪華メンバーとなった。
 毒を喰らわば皿まで。
 初日からGP組を軽視し続けている私としては、明日も9人全員をザックリ切り落としたいのだが、もはやそれはできない。3連単舟券が成立しないから。せめても、赤岩、長田、磯部の下剋上組(実は赤岩は主役級ではあるw)の3人を舟券に絡めて応援に代えるとしよう。(photos/シギー中尾、text/畠山)