BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――“グランプリ感”高まる

f:id:boatrace-g-report:20191219155022j:plain

 いよいよ賞金ランク上位6人が合流する。初戦を迎えた6人は、さらにピッチをあげて調整に励む。そしてまた、昨日までより気持ちも昂る。いつだって鋭い表情の吉川元浩が、今日はさらに気持ちのこもった顔つきを見せていて、こちらまで昨日以上に昂ってくるわけである。

f:id:boatrace-g-report:20191219155130j:plain

 1R発売中には、石野貴之が早くも試運転をしていた。そのとき、トライアル組で水面に出ていたのは石野のみ。その動きの早さはひときわ目立った。足合わせをしていてのは西山貴浩で、係留所に戻ってきた西山は石野に向かってクレーム(?)。「なんなんですか!」。石野が爽快に笑う。その口ぶりからすると、石野にかなりやられていたらしい。やはり石野は整備で当たりを出してきたと見ていいだろう。

f:id:boatrace-g-report:20191219155153j:plain

 石野の次に水面に出たのは平本真之だった。昨日の記事でも書いたように、まったく合わせ切れていない状況で、調整は急務。早い時間からプロペラ調整室にこもって、2R発売中に着水した。さらに機力上位の選手たちと戦うことになるトライアル2nd。思い切り戦うためにも、万全にもっていきたい。

f:id:boatrace-g-report:20191219155249j:plain

f:id:boatrace-g-report:20191219155317j:plain

 整備室には、池田浩二と井口佳典がいた。本体整備だ。1stを終えての整備は、昨日までの2戦で二人が何を思ったのかが如実にあらわれていると言えるだろう。上位6基と戦うには、パワーアップが必須。だからこその整備なのだが、初戦外枠発進でもまったく怯んでいない気持ちが見える。池田は整備のかたわらエンジン吊りに駆け付けているが、これが駆け足。介護役(?)の西山貴浩も「おっ、走ってる」と口にした。池田自身の足の状態は上がっているということか。軽やかに駆ける姿を見て、つい安堵の思いが沸く。

f:id:boatrace-g-report:20191219155344j:plain

 普段はわりとゆったりめの始動となる白井英治もプロペラ調整を始めていた。気合がもうひとつ乗ったと考えていい。2Rの寺田祥のエンジン吊りでも、険しい表情を見せている。盟友を出迎えたのだから、もっと柔和であってもおかしくないのに。その表情が、ここからがさらに緊張感が高まる場面なのだと改めて感じさせてくれた。田村隆信は昨日のレース後「ここからが僕の知ってるグランプリ」と言ったが、やはりトライアル2ndで一気に“グランプリ感”は高まる! 空気の張りが変わってくるのだ。

 

f:id:boatrace-g-report:20191219155425j:plain

 1st敗退組はシリーズに合流。それぞれに気落ちはあるだろうが、しかし戦いは続く。走るのはSG、なのだ。昨日までは終盤に走ったが、今日は序盤からレースが組まれていたりするので、レースの準備にも忙しい。徳増秀樹など、もっと落胆した様子が見られるのかと思いきや、そんなヒマはないとばかりに懸命なペラ調整をしていた。途中、菊地孝平と長く話し込む場面も。グランプリは菊地、シリーズは徳増(あるいは坪井)とダブルで優勝を目指していく。

f:id:boatrace-g-report:20191219155503j:plain

 今垣光太郎も、普段通りに粛々と調整を続けていた。出走が3Rということもあって、ピット内の移動は駆け足だったりするわけだが、まあそれも普段通りだ。その3Rはイン逃げ快勝。1st初戦の落水で心配されたが、ピットでも水面でも力強い。1st敗退の鬱憤を晴らすべく、光ちゃんらしい全力の戦いを見せてくれるだろう。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)