昨日は雨。今日は晴れたが強い追い風。日替わりの気象条件に加えて、安定板装着のおまけつきなのだから、選手たちは大変だ。調整が変わってくる可能性があるからだ。まして、予選後半戦に突入する３日目だ、ここまで苦戦気味の選手たちは巻き返しのため上積みが欲しいところ。選手たちの動きは３日目とは思えないような慌ただしさである。樋口由加里は水面とプロペラ調整所を往復していたが、これがすべて駆け足。まあ、いつだって駆け足移動はよく見られる樋口だが、今日はさらにスピードが上がっているようにも見えてくる。
海野ゆかりは２Ｒ発売中にモーターを装着。ギアケースが付いていない状態で乗せていたので、その調整をしたということか。もちろん、モーターを乗せてまずやったことはギアケースの装着である。モーターを装着する際、後輩たちがヘルプに殺到。今節で登番が上から４番目というのがなんだか信じがたいのだが（実はすでにマスターズ世代というのも信じられん）、実績も上位の先輩の作業に多くの後輩がさささっと駆け寄るのは当然と言ったところか。そして、海野はその後輩たちに「ありがとうございました！」と丁寧にお礼を述べている。ちっとも偉そうにしないのだ。
高田ひかるは本体整備。昨日は１着が出たが、初日が６着２本なだけにまだまだ上積みが欲しいところだろう。２Ｒ発売中に作業を終えて、水面に向かっている。もう一人、平高奈菜も本体を触っていた。残念ながら帰郷となってしまった同支部の先輩・平山智加の分も頑張れ！
レースはやはり波風の影響をどうしても受けてしまう。藤原菜希は１Ｒ１号艇、インから先に回ったが、喜多須杏奈に差されてしまった。ピットに戻ると、東京支部勢と中谷朋子が藤原を囲んで、水面の状況を話し合っていた。自分たちもその水面を走るわけだから情報は欲しいだろうし、藤原も悔恨を紛らす意味でもその会話を必要としていただろう。
一方、勝った喜多須杏奈は粛々と帰還している。決して水面状況の助けを受けた勝利だとは思わないが、やはり大喜びするのはためらわれた部分もあったか。地元ＬＡで予選突破に大きく近づく快勝だ。心中には安堵や歓喜もあったと思う。
２Ｒの今井美亜も１号艇で差されてしまった。今井は水面にかなり手こずった感じで、３周１マークでは大きく流れている。ピットでモニター観戦していた選手たちも「ああっ、美亜ちゃん！」と声をあげていた。それもあってか、レース後の今井は申し訳なさそうに各選手のもとを回って頭を下げていた。迷惑をかけたのではないかと気にしていたのだ。
そうした悪水面だが、無事で何より！ 選手の皆さん、今日は気を付けて戦ってくださいね！（ＰＨＯＴＯ／池上一摩 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
