1Rはマスターズデビューの6人が集められた一戦。勝ったのは石渡鉄兵! イン逃げで見事に“デビュー戦”を飾った。出迎えた濱野谷憲吾が笑いかけて、石渡もニッコリ! レース後は林美憲に声をかけられ、またニッコリなのであった。穏やかな鉄兵スマイルが津マスターズのオープニングを飾ったわけだ。
2Rは芝田浩治が江口晃生の前付けにも動じることなく逃げ切り。レース後はカポック脱ぎ場で江口と談笑しながら、レースを(進入を?)振り返り合っていた。深い起こしは承知のイン戦だったわけだが、これを乗り切ったのは大きいだろう。ひとしきり話すと、肩を並べて手洗いゴシゴシ。選手も我々も、このご時世は特に、手洗い大事!
この2人に対して目を丸くしていたのは山一鉄也だ。4カドになった山一は、カドまくりの絶好のチャンスと意識していたはずなのだが、まくりを放つこともできず。なにしろ、芝田はコンマ05のスタート! 山一も悪くないSと確信していたようだが(コンマ11)、左前方に芝田(とコンマ06の江口)が見えて、驚いたようだ。芝田も江口も深い起こしは山ほど経験していますからね。このスタート力もマスターズチャンピオンらしさ、かもしれない。
初日ということで、規制線の外側からでもピットの慌ただしい空気は感じられる。ドリーム戦出場の辻栄蔵は早くも試運転をしていて、1R発売中にいったんボートを引き上げ。辻ばかりではなく、係留所が満艇状態になっているのが遠目にもわかるほど、早くから水面に出ている選手は少なくなかった。キャリアのなかで積み重ねてきた仕上げのノウハウを、初日からフル回転させているのだ。
整備室を覗き込むと、今垣光太郎が本体整備。ピストンを2つ手にしていたが、交換したかどうかは直前情報をご確認ください。今垣のモーターは記者間の評価ももうひとつのようで、パワーアップは急務となる。初日の朝から整備に取り掛かるのも当然といったところだろう。
大きな整備をしていたのは今垣のみ。ギアケース調整をしていた選手は何人かおり、こちらからいちばん近くに見えたのは荒井輝年。
整備室の奥のほうでは、徳増秀樹が機歴簿らしきファイルを広げて、真剣極まりない顔で見入っていた。徳増はドリーム1号艇。言うまでもなく、時間はたっぷりある。機歴簿チェックでひらめいた調整を施していく可能性はありそうだ。
さてさて、厳戒態勢は我々だけでなく、中継をしているJLCも同様。写真は1Rの勝利者インタビューの模様で、装着場での収録やインタビュアーとスタッフが選手と距離を置いている様子から、“密”を避けている様子がおわかりいただけるだろう。インタビュアーの内田和男さんは、頭から透明なアクリル板をかぶって念入りな飛沫防止策をとっているのだ。選手も関係者も力を合わせて、ひとつの開催を盛り上げていくのであります!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)