BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――準優組の動き

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 準優組で最初にボートを下したのは、池田浩二。でも、ちょっと待て。池田のモーターにはプロペラがついていないではないか。それで下ろしても、前に進まないのでは……。と思ったら、池田は水面に降りてもモーターを始動せず、リフトの支柱や係留所のヘリなどを伝って、ボートを移動させた。リフトの脇にある、いちばん近い係留所が空いていたので、そこに係留しようとしていたわけだ。なるほど。これなら係留してプロペラを外す手間なく、調整に向かえる。見事な時短なのであった。

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 装着場に準優組の姿はなかなか出てこなかったが、プロペラ調整室を出入りするのはよく見かけた。つまり、早くから調整に取り掛かっている選手は少なくなかったわけだ。今日がバースデーの茅原悠紀もその一人。出入口のすぐ近くで叩いていたので、開け放たれたドアからその背中はよく見えた。登番4418が背番号になった、コンサドーレ札幌のユニフォームだ。茅原はコンサドーレのパートナーアスリートを務めているんですね。

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 白井英治もペラ調整組。2R発売中にはモーターをボートに丁寧に装着し、検査員さんからの検査を受けていた。足元にはケブラーシューズ。早い時間帯には運動靴を履いていることも多い白井(しかもかかとを踏みつぶして)、ケブラーを履いているということは、早々に試運転に出る心づもりということだろう。

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 田村隆信も同様のタイミングでモーター回りの点検などを始めている。また、ボートのへりや底の部分なども丁寧に磨いていた。上の写真をご覧いただければおわかりのように、前沢丈史もほぼ同じタイミングで作業開始。そうそう、1Rには東京支部含む関東地区の選手が4人出走していて、三浦敬太はそれぞれの後半の艇番艇旗、さらにアカクミをリフト近くの机の上にセットして置いていた。この1Rには田村の先輩になる岩崎芳美が出走していて、後半は4号艇。エンジン吊りに向かう直前、机に“4号艇セット”が置かれているのを見た田村は、何も知らずにこれをゲット。本来は須藤博倫用に三浦が用意したものだったが、それを見ていなかった田村としては石丸海渡あたりが用意したと思い込んだのだろう。というわけで、4号艇セットがなくなっているのを見た三浦は大慌てでキョロキョロ、というシーンがあったのでありました(笑)。もちろん田村に悪気はありません。

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 大きな調整をしていたのは、石野貴之だ。我々がいても問題ない場所からは死角気味の場所だったので、当初は気づかなかったのだが、窓越しに本体を扱っているのが見えた。6号艇で登場ということで、一発勝負の整備を施しているのだろう。部品交換などについては、直前情報をご確認ください。進入も含めて、どんな戦略で臨むのか、注目したい。

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 地元福井支部の1号艇ふたりは、マイペースで時間を過ごしている。もっとも、今垣光太郎のマイペースは整備に調整にと動き回ること。プロペラ調整室からの出入りを見かけた一人でもあり、またJLC専属解説者で福井支部の先輩である水上浩充さんと感触を話し込むなど、すでに精力的に動いている。予選トップ通過の萩原秀人は、基本的にはエンジン吊りくらいでしか姿を見ておらず、調整を本格的に始めるのはまだ少し先になると思われた。淡々としたたたずまいが印象に残る。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)