BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――わりと穏やか勝負駆け

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 今日の勝負駆けは、大きな波乱は起きなかったというべきか。3日目終了時点の上位18位とは、結果的に4名が入れ替わったのみ。また、勝負駆けを成功させたのが、水野望美の3R、寺田千恵と高田ひかるの7R、渡邉優美の6Rと、序盤から中盤にかけてだったこともあって、特に終盤の時間帯には大きな悲喜こもごもはあまり見られなかったと言っていい。

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 ただし、樋口由加里は痛恨だっただろう。3日目終了時点では7位につけて、今日の条件は4着5着。5枠6枠の外枠デーであったとはいえ、まさかの6着2本は悔いが残る結果としか言いようがない。顔をしかめたりといった様子は見えなかったものの、胸の内はいかばかりだったか。残り2日、なんとか鬱憤を晴らす日であってほしい。

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 18位に滑り込んだのは深川麻奈美だ。深川は11R3着で、得点率は5.83で予選フィニッシュ。これは、長嶋万記と並ぶ数字で、1勝、2着1回、3着2回、4着、6着という着順までまったく一緒。最高タイムが深川1分49秒7、長嶋が1分49秒8とコンマ1秒差の接戦で深川が上回ったかたちだ。それを報道陣から伝え聞いた深川はニッコリ。安堵と歓喜が入り混じった、素敵な笑顔であった。

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 ただ、実は12Rで香川素子が1着を獲れば、深川は逆転されてしまう立場でもあった。それも聞かされて、「でも諦めない」という言葉が聞こえてくる。結果、香川は12R6着で勝負駆け失敗。深川の18位が確定した。その瞬間は、深川は特に表情を変えた様子はなく、川野芽唯のエンジン吊りを粛々とこなしている。相手の失敗を手放しで喜ぶことはなかったわけだ。とにもかくにも、準優進出は準優進出。なにしろ6号艇でデビュー初優勝を飾っている深川だ。それこそ諦めない走りを見せてもらいたい。

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 12Rは守屋美穂が逃げ切り。予選トップ通過! 速報にあったように、自力でトップを獲得できる選手はめまぐるしく変わっていったわけだが、結果的には守屋に戻ってきたという感じ。緊張感はあっただろうが、しっかりと逃げて、完全に王道に乗っかっている。ピットに戻ると守屋は、他の選手のもとを駆けまわっては頭を下げた。きっちりと礼を尽くしたかたちだ。明日も12R1号艇。逃げれば明後日も12R1号艇。今日の再現を水面でも陸の上でも果たすことになるか。

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 なお、守屋の結果待ちでトップの可能性を残していた平山智加は、10R終了後の1便で帰宿している。おそらく宿舎で中継を見ていたことと思うが、どんな思いで守屋の逃げ切りを見たかはわからない。もちろん予選トップ=優勝ではないし、トップ以外=優勝の可能性皆無でもない。久々のレディチャンで、平山は虎視眈々とVを狙うことだろう。

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 さてさて、今日も10R終了後の1便で多くの選手が帰宿している。結果次点の長嶋万記も、その時点では準優の目を残していながら、1便に加わった。9R1号艇で3着に敗れ、自力で勝負駆けを突破できなかった。もちろんその後の結果を期待も込めて待っていたはずだが、潔くというかなんというか、宿舎で結果を見守ることにしたのだろう。残念な次点ではあったが、昨日の道中逆転ツケマイなど、意地を見せられる一節ではあったはずだ。で、帰宿時はご覧の帽子をかぶって、なんだか遠足に出かける子供みたいなのであった(笑)。マキちゃんの女王ロードはまだまだ夢の途中!

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 あと、やはり勝負駆け実らなかった岸恵子の日傘姿がなんとも素敵でありました。長嶋が遠足ふうなら、岸は避暑の淑女ふう(笑)。あと2日、しとやかで激しい走りを見せてください!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)