BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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下関メモリアル『前検を斬る!』

 下関メモリアルの前検が終わりました! 下関は記者席が移動(2マーク→1マーク寄り)して、定地定点観測に持ってこいの絶景ポイントが与えられたのですが……うーーん、スリットからズッキューーーン!!と出て行く人機は皆無でした。もちろん、その可能性がある絶対エース機には、私のみならず記者席にいるすべてのスタッフが熱い視線を注いだのですが……。

★石渡鉄兵=11号機

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 エースの片鱗は見え隠れしたものの、確信を持って「やっぱ抜けている!」と断言できない前検でした。足合わせは湯川浩司&寺田祥とマッチアップして、どっちもターン直後の出足はやや甘め。出口を過ぎてからじわじわ伸びはじめ、スリット裏からグングン加速するという典型的な伸び型パターン。スタート練習も起こし~出足・行き足までさほど目立たず、記者席のあちこちから「ぜんっぜん目立たんやん」とか「あれれ~~??」みたいな落胆の声が噴出。ただ、3本目の5カドはスリットから出て行くムードを醸し出しましたね。すぐに減速したけど。まあ、これでしっかり前検タイムが出るようならストレートは問題なし。手前の足がやや心細いという仕上がりだったと思います。現時点ではAまで。

 さてさて、私なりに良く見えた人機を列挙していきます。今日のところはひとまずAランク均一で。

A級(上位候補)

★白井英治=43号機

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 これはもう出足&回り足! 井口佳典との足合わせでターン出口からシュッと突き放した瞬間の加速感に惚れ込みました。スタート練習でも起こし~出足のツナギが絶品! その後の足はソコソコ程度も、ドリームの2コースにうってつけの出足タイプとお伝えしておきます。しっかり10点以上を取り込めば、地元の利で予選トップもあると思いますよ!

★井口佳典=17号機

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 そのドリームでスリット付近の加速感がゴキゲンだったのが井口。足合わせもそうだったけど「手前の白井、直線の井口」という特色とともにドリーム班ではふたりが目立ってました。選手の性格的にもココの部分の足があればどうなるか、多くを語る必要もありませんな。今節は「前付け艇を入れてのカド一撃」などという変則攻撃も警戒しておきましょう。

★平高奈菜=50号機

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 今節の「良く見えたもんは仕方がない」はコレ! 50号機は28%だし展示タイムも水準以下だし、数字的にはまったく強調材料がないのに、ターン出口からの押し足~スリット付近の加速感が妙に軽快に見えてしまった。軽量の女子力があっての見え方かも、ですが「直前の繰り上がり参戦」という流れ・勢いも含めて随所に穴を狙ってみたいっすね。怪我(腕の骨折)が完治していることを祈りつつ。

★新田雄史=28号機

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 三島リストで二番手評価の「S」が授けられた28号機。確かに悪いムードはないっすね。特に足合わせで篠崎元志、平本真之を出口でシュッと突き放した出足、押し足はゴキゲンの一語。この部分だけ見たら同じく「S」を付けたくなりましたが、スタート練習の出足~行き足が期待したほどは目立たなかったのでAにしときます。選手のタイプ的には出口の押し足が強いだけでも相当な武器になる相棒だと思います。

★馬場貴也=25号機

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 これも足合わせが出色。外・吉田拡郎をターン出口からスーーッと滑らかに突き放す行き足に「オッ」と唸ってしまった。その拡郎は柳沢一より行き足が優勢だったから、三段論法でも馬場25号機の行き足はかなり優秀なはず(笑)。ただ、新田と同じくスタート練習では他と変わらず、ほんの少しだけ力感がある程度にしか見えなかったのでAランクまで。いざ実戦では強烈なパワーを発揮する可能性が高い気がします。

 他では今村豊と片岡雅裕の出足、丸野一樹と羽野直也、瓜生正義の行き足、桑原悠の伸び足あたりが強めに見えておりました。で、前検タイムが届きましたが、今日のこの数字には風のイタズラが混じってます。前半(第1班~6班)は3m前後のホーム向かい風、後半は逆に3m前後のホーム追い風に急変。ここまで違うと後半の選手が速いタイムを出せるわけもなく、別物の数字として考える必要がありそうです。

前検時計・前半のTOP10
①平尾崇典 6.71
②石渡鉄兵 6.72
 吉川元浩
 寺田 祥
⑤徳増秀樹 6.73
 原田幸哉
 湯川浩司
 市橋卓士
 峰 竜太
⑩魚谷智之 6.74
 原田篤志

前検時計・後半のTOP5
①羽野直也 6.79
②岡崎恭裕 6.80
 桑原 悠
 磯部 誠
 永井彪也

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 やはり、トップの平尾はじめ速い時計はベテラン勢に集中しましたね。気になる石渡11号機はしっかり2位にランクイン。期待と不安が交錯するような1日でしたが、いざフタを開けたら「やっぱケタチだ~!!」と全国のファンが悶絶するような実戦に期待しましょ。で、後半の16選手はほとんどが6秒79~6秒83の僅差に密集。見た目にも大差のないストレート足でありました。

前検ワースト5
①西山貴浩  6.88
②中野次郎  6.85
    平本真之
③松井 繁    6.83
 桐生順平
 上野真之介

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 こちらは前後半をまとめてしまいましょ。後半チームの西山が断然のビリケツで、確かに見た目にもスリット前後で置き去りにされている雰囲気がありました。一方、前半組でここにランクインした中野、松井、桐生はかなり直線足がヤバイ可能性もありそう。明日のドリーム戦の展示タイムと照らし合わせる必要がありそうですね。(photos/黒須田守、text/畠山)